50代の介護転職|難しいと言われる理由と、体力・勤務形態・65歳までの逆算

介護の50代転職で最初に確かめるのは、年齢そのものではなく「65歳までの残り年数をどう使うか」です。50〜59歳の採用率は12.6%で、40代の13.6%とほぼ変わりません。ただし65歳以上では7.1%まで細り、離職率9.8%を下回ります。入口が広いうちに勤務形態を決めるのが、50代の設計です。

この記事でわかること

  • 50代の介護転職が難しいと言われる理由を、年齢階層別の採用率・離職率の実数で確かめる方法
  • 65歳までの雇用確保措置・70歳までの就業確保措置・年金の開始年齢から残り年数を逆算する手順
  • 体力を根性で語らず、勤務形態を「戻せる形」にしておく設計の考え方
  • 女性と男性で入り口が変わる理由を、職種別の男女比と年齢構成という事実から整理
  • 50代の給与は上がり幅より60歳以降の下がり方で見るべき理由(性・年齢階級別の実額)
  • 動くタイミングの決め方と、求人票・面接で確かめたい6点

公的情報源: 公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」(参照)/厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」第92表(参照)/厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正」(参照)/日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」(参照)

50代を受け入れている募集が実際にどれくらいあるかは、条件を並べて見るのが早い方法です。勤務形態と時間帯から絞り込めます。

結論を先に整理します

50代の介護転職でつまずくのは、年齢ではありません。「何年働くつもりか」を決めないまま求人を見ることです。

理由は単純で、50代は残り年数が短いぶん、選んだ勤務形態を後から変える余地も短くなるから。40代までなら「まず入って、合わなければ変える」が成立します。50代は、その修正回数を先に見積もっておく必要があります。

この記事の要点

  • 50〜59歳の採用率は12.6%、離職率10.9%。40代(13.6%/11.3%)との差はわずかで、入口は今まだ開いている
  • ただし65歳以上は採用率7.1%・離職率9.8%と逆転する。入る側から出る側に切り替わるのが65歳前後
  • 2025年4月から、経過措置が終わり希望者全員が65歳まで働ける仕組みが事業主の義務。70歳までは努力義務にとどまる
  • いまの50代は男女とも特別支給の老齢厚生年金の対象外。年金は原則65歳から=そこまでの収入は仕事で作る
  • 給与は男性50代36万1,960円・女性50代33万8,220円。60歳以上になると男性は5万4,820円下がる(月給・常勤)


目次

50代の介護転職は難しいのか|採用率と離職率で確かめる

結論から書きます。50代の入口は、数字の上ではまだ開いています。難しくなるのは、その先の60代です。

「50代の介護転職は難しいか」と検索したときに出てくる説明の多くは、人手不足という業界事情で終わります。ただ、それだと自分の年齢がどう扱われるかは分かりません。年齢階層ごとに採用率と離職率が公表されているので、そこを見るほうが早いです。

年齢階層別の採用率・離職率(訪問介護員+介護職員の2職種計・令和7年度)

年齢階層採用率離職率差(増減率)
29歳以下32.1%17.3%+14.8
30〜39歳14.9%12.4%+2.5
40〜49歳13.6%11.3%+2.2
50〜59歳12.6%10.9%+1.7
60〜64歳10.8%10.4%+0.5
65歳以上7.1%9.8%△2.7

公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査」(回答事業所6,788件)の数値です。

40代との差はわずか1.0ポイント

50〜59歳の採用率12.6%と、40〜49歳の13.6%。差は1.0ポイントしかありません。年代が上がるほど段階的に細くなるものの、50代で急に落ちる形にはなっていません。

一方で65歳以上を見ると、採用率7.1%に対して離職率9.8%。出ていく人のほうが多い状態です。40代までの記事でよく語られる「年齢は不利にならない」という説明は、65歳を境に成り立たなくなります。

40代の採用実態や未経験からの年収相場そのものは、別記事で整理しています。

40代の介護転職|未経験からの採用実態と年収相場

人手が最も足りない職種はどこか

同調査で、従業員が不足していると答えた事業所は全体の65.8%。職種別に見ると、訪問介護員が82.9%で7職種のうち最も高いという結果でした。

この差は、そのまま「どこなら年齢が問われにくいか」に反映されます。あとで見るとおり、訪問介護は働き手の年齢層自体が他の職種より高くなっています。

50代が求人を見る前に確かめる5つの数字

  • 「受かるかどうか」より先に、自分の側の数字を並べます。
  • 165歳まであと何年か誕生日から逆算する。10年か、5年か、3年かで選べる勤務形態が変わる
  • 2年金が出るのは何歳からかいまの50代は男女とも特別支給の対象外。原則65歳から。ねんきん定期便で自分の見込額を確認する
  • 365歳以降も働く前提か70歳までの就業確保措置は努力義務。継続の可否は事業所ごとに違うので、応募時に確認する対象になる
  • 4夜勤を入れられる体調か入れるかどうかではなく、「入れなくなったときに日勤へ戻せるか」で考える
  • 5月にいくら必要か世帯の支出から逆算する。ここが決まると、常勤・パート・派遣の選択が自動的に絞られる

5つが埋まると、見るべき求人の条件が先に決まります。

図:50代は「受かるか」より先に、残り年数・年金・体調・必要月収の5つを並べる


定年・再雇用・年金から逆算する|50代の転職は「65歳まで」の設計になる

50代の転職が40代と決定的に違うのは、終わりの年齢が見えている点です。だから、入口の条件だけでなく「何歳まで、どの形で働けるか」まで含めて選ぶことになります。

制度の骨格を先に押さえておくと、求人票の読み方が変わります。

高年齢者雇用安定法が事業主に求めていること

対象事業主の位置づけ措置の中身
65歳まで義務(雇用確保措置)定年制の廃止/65歳までの定年引上げ/希望者全員を対象とする65歳までの継続雇用制度のいずれか
70歳まで努力義務(就業確保措置)70歳までの定年引上げ/定年制の廃止/70歳までの継続雇用制度/業務委託契約制度/社会貢献事業に従事できる制度のいずれか

出典は厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正〜『継続雇用制度』の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止〜」と「高年齢者雇用安定法の改正〜70歳までの就業機会確保〜」です。

2025年4月で「継続雇用の対象者を選べる」経過措置は終わった

かつては労使協定を結べば、継続雇用の対象者を事業主が絞れる仕組みがありました。その経過措置が2025年3月31日で終了しています。

2025年4月1日以降は、希望者全員が65歳まで働ける形にすることが事業主の義務です。つまり、50代で入職しても65歳までの雇用そのものは制度上つながる、という前提で考えられます。

一方、70歳までは努力義務です。厚生労働省のページにも「70歳までの定年年齢の引上げを義務付けるものではありません」と明記されています。65歳から先は事業所ごとに違う、と読むのが正確です。

いまの50代は「特別支給の老齢厚生年金」の対象ではない

ここが、40代の記事では扱わない50代固有の論点です。

日本年金機構の「特別支給の老齢厚生年金」は、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方が対象です。

2026年時点で50代の方は、この生年月日にあたりません。したがって年金の受給開始は原則65歳。60歳から65歳までの5年間は、繰上げ受給を選ばない限り仕事で収入を作る期間になります。

  1. 65歳までの雇用は、制度上つながる前提で考えられる
  2. 65歳から先の継続は事業所ごとに違うため、応募時の確認事項になる
  3. 年金は原則65歳から。60〜64歳の収入をどう作るかが、50代の設計課題になる

「50代の転職は定年まであと10年だから不利」と語られることがあります。ただ、不利かどうかより「その10年で何を積むか」を決めるほうが実務的です。介護は資格と経験で処遇の段が上がる仕組みがあるため、10年あれば段を1つか2つ上げられます。

資格取得のルートそのものは、別記事で制度から整理しています。

介護の資格が転職で有利になる理由|資格なしから介護福祉士までの道筋


体力の話を根性で終わらせない|勤務形態を「戻せる形」にしておく

50代の相談で最も多いのが体力の不安です。ここで大事なのは、「体力があるか」ではなく「落ちたときに戻せるか」で設計すること。

年齢による体力の変化は個人差が大きく、一律に語れるものではありません。だからこそ、体調が変わったときに勤務形態を切り替えられるかどうかを、入る前に確かめておく意味があります。

「夜勤ありで入る/夜勤なしで入る」の二択にしない

夜勤を入れるかどうかは、収入と生活リズムのトレードオフです。ただ50代の場合、そこに「入れなくなったときの逃げ道があるか」という3つ目の軸が加わります。

同じ法人内に日勤中心の事業所(デイサービス・訪問介護など)があるか。夜勤回数を減らす相談ができる体制か。この2点は、求人票では分からず面接で聞くしかない項目です。

勤務形態を「戻せるか」で分類する

  • 50代は収入の高さだけでなく、体調が変わったときの切り替えやすさで選ぶ
    • 常勤・夜勤あり|収入は最も作りやすい夜勤手当が乗るぶん月収は上がる。ただし夜勤を外すと基本給はそのままでも手取りが落ちる。同一法人内に日勤の配属先があるかを先に確認する
    • 常勤・日勤中心|生活リズムを保ちやすいデイサービスや訪問介護など。夜勤手当がないぶん月収は抑えめ。あとから夜勤を足すのは比較的やりやすい
    • パート|時間を細かく調整できる週の時間数で社会保険の扱いが変わる。扶養や年金との兼ね合いを先に計算する必要がある
    • 派遣|期間を区切って試せる職場が合うかを短期間で確かめられる。資格取得の支援がついている募集もある

「入りやすさ」ではなく「変えやすさ」で並べ替えると、50代の順番は変わります。

図:50代の勤務形態は、収入の高さではなく体調が変わったときの切り替えやすさで並べる

勤務形態ごとの判断軸(各論は別記事へ)

働き方収入の作り方身体への負荷戻しやすさ詳しくは
常勤・夜勤あり夜勤手当で上乗せ生活リズムの影響が大きい夜勤を外すと収入が下がる夜勤専従の記事
常勤・日勤中心基本給が中心日中の介助が中心夜勤を足す方向は取りやすいデイサービスの記事
パート時給×時間数時間数で調整できる時間の増減がしやすいパートの記事
派遣時給が高めの傾向契約内容による期間で区切れる未経験転職の記事

腰と膝を守る仕組みがあるかを見る

体力の話は精神論になりがちですが、現場の負荷は設備と人員配置でかなり変わります。

移乗用のリフトやスライディングシートが備わっているか。2人介助を前提とした人員が組まれているか。入浴介助の頻度と1日の担当人数はどれくらいか。この3つは、見学時に目で確かめられる項目です。

「体力に自信があります」と言うより、「この設備なら続けられます」と言えるほうが、面接では具体的に伝わります。

派遣という形なら、期間を区切って職場との相性を先に確かめられます。資格取得の費用支援がついた募集もあるため、無資格から入る場合の負担を抑えられます。

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女性と男性で入り口が変わる理由|職種別の男女比と年齢構成

「50代 転職 女性 介護」「50代 転職 男性 介護」と分けて検索される背景には、実際に職種ごとの男女比が違うという事実があります。ここは印象ではなく、統計で確かめられます。

令和7年度の介護労働実態調査(労働者調査・回答20,675人)から、職種別の構成を並べます。

職種別の平均年齢・50代の割合・60歳以上の割合(令和7年度)

職種平均年齢50代の割合60歳以上の割合女性の割合
訪問介護員(n=3,339)51.1歳30.0%26.6%83.0%
介護職員(n=7,519)47.8歳27.3%18.5%72.7%
生活相談員(n=1,155)47.2歳28.6%12.7%66.6%
介護支援専門員(n=2,678)55.1歳33.0%35.4%76.0%
全体(n=20,675)49.5歳28.9%21.3%75.7%

※50代・60歳以上の割合は、公表されている年齢階級(5歳刻み)の合計です。

訪問介護は年齢層が最も高く、女性比率も最も高い

訪問介護員の平均年齢は51.1歳。60歳以上が26.6%を占め、7職種のうち最も年齢層が高い職種です。女性比率も83.0%で最も高くなっています。

先に見たとおり、訪問介護員は不足感が82.9%で7職種中いちばん高い職種でもあります。年齢層が高く、人手が最も足りないという2つの条件が重なっているのが訪問介護です。

ただし訪問介護は、資格が要件になる点が施設と違います。無資格では単独訪問ができないため、入口の順番が変わります。

訪問介護への転職|資格が必須な理由と常勤・登録ヘルパーの分かれ道

男性は施設側の職種に相対的に多い

介護職員(施設)の男性比率は26.6%で、訪問介護員の16.4%より高い数値です。生活相談員は32.7%とさらに高くなります。

これは「男性は施設向き」という話ではありません。求人の分布と、職種ごとの働き方の違いがそのまま構成比に出ていると読むのが妥当です。

夜勤のあるシフトは施設に集中します。夜勤手当で収入を作りたい場合、選択肢は施設側に寄ります。逆に日中の時間帯だけで組み立てたい場合は、訪問介護やデイサービスが候補になります。

特別養護老人ホームへの転職|仕事内容・給与・向き不向き

介護支援専門員は60歳以上が35.4%

参考として、介護支援専門員(ケアマネジャー)は平均年齢55.1歳、60歳以上が35.4%を占めます。身体介護の量が減る職種ほど、働き手の年齢層が上がるという関係が数字に出ています。

50代から資格を目指す選択肢もありますが、受験要件と試験制度が別の話になるため、ここでは触れずに進めます。


50代の給与は「上がり幅」より「下がり方」を見る

結論を先に書きます。50代の介護職の給与は、40代とほぼ変わりません。差が出るのは60歳以降です。

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」第92表(月給・常勤の者、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所)の数値を並べます。

性・年齢階級別の平均給与額(月給・常勤・加算取得事業所)

区分40〜49歳50〜59歳60歳以上
男性37万7,200円36万1,960円30万7,140円
女性33万6,780円33万8,220円31万760円

同調査の介護職員全体の平均給与額は月33万8,250円(平均年齢45.7歳)。当サイトで基準にしている月33.8万円と同じ調査の数値です。給与の内訳や施設種別の差は、別記事で分解しています。

介護職の給与の平均は月33.8万円|施設種別・資格別の差と手取り

男性は40代がピーク、女性は50代でわずかに上がる

男性は40代の37万7,200円から、50代で36万1,960円へ1万5,240円下がります。一方の女性は、40代33万6,780円→50代33万8,220円で1,440円上がります。

この差は、勤続年数と勤務形態の分布の違いが反映されたものと考えられます。数値そのものは平均であり、個人の給与を示すものではありません。

60歳以上の落差のほうが大きい

見落としやすいのは60歳以上です。男性は50代の36万1,960円から30万7,140円へ、月5万4,820円下がります。女性も33万8,220円から31万760円へ、月2万7,460円下がります。

継続雇用に切り替わるときに労働条件が見直されるためで、これは介護に限った話ではありません。ただ50代で転職する場合、この落差が5〜10年後に来ることを前提に置いておくと、資格取得や役職の判断がぶれにくくなります。

  1. 50代の月給は40代とほぼ同水準。転職で大きく上がることも下がることも起きにくい
  2. 落差が来るのは60歳以降。男性は月5万4,820円、女性は月2万7,460円が平均の差
  3. だから50代の10年は、60歳以降の条件を左右する資格・役職・勤務先を選ぶ期間になる


動くタイミングの決め方と、50代で採用される条件

「50代 介護 転職のタイミング」と検索する方が知りたいのは、月や季節ではなく「いま動くべきか」のはずです。判断できる材料を4つに絞ります。

動く理由になりやすい4つのトリガー

  1. 体調が勤務形態と合わなくなったとき:夜勤の回復に時間がかかる、腰や膝の負担が抜けない。設備と人員配置が違う職場へ移す判断になる
  2. 65歳以降の継続が見えないとき:勤務先の継続雇用の運用を確認して、65歳より先が想定できないなら早いほうが選択肢が多い
  3. 資格の要件に手が届くとき:実務経験の年数が要件に届く時期は、処遇の段が上がるタイミングと重なる
  4. 家庭の前提が変わったとき:子の独立、親の介護、住居の変更。必要な月収と通える範囲が変わる

逆に、動かないほうがよい局面もあります。人間関係の一時的なもつれだけが理由の場合、職場を変えても同じ構図が繰り返されることがあります。何を変えたいのかを先に言葉にしてから動くほうが、結果が安定します。

求人票と面接で確かめたい6点

50代の応募で確かめる項目は、20代・30代とは重心が違います。「入れるか」ではなく「続けられるか」を確かめる質問になります。

応募前に確かめる6点

  1. 定年年齢と、65歳以降の継続雇用の運用(実際に何人が継続しているか)
  2. 同一法人内に日勤中心の事業所があるか(体調が変わったときの異動先)
  3. 夜勤の回数と、減らす相談ができる体制かどうか
  4. 移乗の設備(リフト・スライディングシート)と2人介助の運用
  5. 資格取得の費用支援と、勤務時間内に受講できるかどうか
  6. 同年代の職員が実際に在籍しているか(見学時に確認できる)

50代の応募で確かめる順番

  • 求人票で分かること、見学で分かること、面接で聞くことを分けます。
  • 1求人票で読む定年年齢・勤務形態・夜勤回数・資格取得支援の有無。ここで条件が合わない募集は先に外す
  • 2法人の規模を見る同一法人が複数の事業所を持っているか。日勤中心の事業所があれば、体調が変わったときの選択肢になる
  • 3見学で目視する移乗の設備、フロアの人員、同年代の職員がいるか。設備は言葉より確実な情報になる
  • 4面接で聞く65歳以降の継続雇用が実際に運用されているか。夜勤を減らす相談ができるか。数字で答えが返るかを見る
  • 5条件を書面で確認する労働条件通知書で、勤務形態・夜勤回数・手当の内訳を入職前に照合する

順番を守ると、聞きにくい質問が自然な流れの中に収まります。

図:求人票・法人規模・見学・面接・書面の順に確かめると、50代の確認事項が漏れにくい

志望動機は「なぜ今か」に答える形にする

50代の応募で採用側が気にするのは、経験の量ではありません。「なぜこの年齢で介護なのか」「どれくらい続けるつもりか」の2点です。

前職の経験を介護の業務と結びつけて説明できると、伝わり方が変わります。人と接する仕事、段取りを組む仕事、記録を扱う仕事。介護の現場業務と重なる部分は、思うより多くあります。

面接での聞かれ方や書類の書き方は、別記事で整理しています。

介護の面接で聞かれる質問と答え方|服装・逆質問・落ちる人

介護の履歴書の書き方|資格欄・職歴欄・本人希望欄で差がつく点

転職サイトを使うかどうかの判断

「介護 転職サイト 50代」と検索する方が迷うのは、自分で探すのと、間に人を入れるのとどちらが早いかという点でしょう。

判断材料になるのが、事業所側の採用経路です。令和7年度の介護労働実態調査(事業所調査・回答8,899件)では、有料職業紹介所を活用している事業所が37.9%。そのうち53.4%が「採用に効果があった」と答えており、実施している採用活動の中では効果があったとする割合が高い部類に入ります。

つまり、事業所の側にも人を介した採用の経路が一定量あるということ。定年年齢や継続雇用の運用は求人票に書かれないことが多いため、間に人を入れて聞いてもらう使い方には意味があります。

複数のサービスの違いは、比較記事で整理しています。

介護転職エージェント比較|求人数・サポート・非公開求人で整理

定年年齢・夜勤回数・資格取得支援の3つは、求人票を並べて比べると差がはっきりします。通える範囲の条件から確認してみてください。

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よくある質問

Q1:50代の介護転職は難しいのでしょうか?

年齢階層別の数字で見ると、50代の入口はまだ開いています。令和7年度介護労働実態調査では、50〜59歳の採用率は12.6%・離職率10.9%。40〜49歳の13.6%・11.3%との差は1.0ポイント程度です。ただし65歳以上になると採用率7.1%・離職率9.8%と逆転します。難しくなるのは50代ではなく、その先の年代だと読めます。なお採用の可否は事業所ごとの事情で決まるため、この数値が個別の結果を示すものではありません。

Q2:50代の介護職の給与はどのくらいですか?

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」第92表(月給・常勤、処遇改善加算を取得している事業所)では、50〜59歳の平均給与額は男性36万1,960円・女性33万8,220円です。40代は男性37万7,200円・女性33万6,780円で、50代との差は大きくありません。むしろ差が出るのは60歳以上で、男性30万7,140円・女性31万760円まで下がります。

Q3:50代で介護に転職するタイミングはいつがよいですか?

季節や月よりも、4つの状況の変化を目安にすると判断しやすくなります。①体調が今の勤務形態と合わなくなったとき ②勤務先で65歳以降の継続が見えないとき ③資格の実務経験要件に届くとき ④家庭の前提(子の独立・親の介護・住居)が変わったときです。逆に、人間関係の一時的なもつれだけが理由の場合は、何を変えたいのかを言語化してから動くほうが結果が安定します。

Q4:50代の女性が介護に転職する場合、どの職種が多いですか?

令和7年度介護労働実態調査では、訪問介護員の女性比率が83.0%と最も高く、平均年齢も51.1歳で7職種のうち最上位です。60歳以上が26.6%を占めます。介護職員(施設)は女性72.7%・平均年齢47.8歳。ただしこれは構成比であって、どちらが向いているかを示すものではありません。訪問介護は資格が要件になるため、無資格から入る場合は入口の順番が変わります。

Q5:50代の男性でも介護職に転職できますか?

介護職員(施設)の男性比率は26.6%、生活相談員は32.7%で、訪問介護員の16.4%より高い数値です。夜勤のあるシフトは施設に集中するため、夜勤手当で収入を作る設計は施設側の職種と相性がよくなります。ただし夜勤は生活リズムへの影響が大きいため、夜勤を外したときに日勤へ戻せる体制があるかを応募時に確認しておくと、長く働ける形になります。

Q6:50代で入職しても65歳まで働けますか?

高年齢者雇用安定法により、65歳までの雇用確保措置は事業主の義務です。継続雇用の対象者を労使協定で限定できた経過措置は2025年3月31日で終了し、2025年4月1日以降は希望者全員が対象になりました。一方、70歳までの就業確保措置は努力義務にとどまります(令和3年4月1日施行)。65歳から先の扱いは事業所ごとに違うため、応募時に運用を確認する項目になります。

Q7:年金が出るまでの収入はどう考えればよいですか?

日本年金機構の「特別支給の老齢厚生年金」は、男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方が対象です。2026年時点の50代は男女ともこの対象に当たらないため、年金の受給開始は原則65歳になります。つまり60歳から65歳までは、繰上げ受給を選ばない限り仕事で収入を作る期間です。継続雇用に切り替わると平均給与額は下がるため、その前提で必要月収を計算しておくと判断がぶれません。個別の受給見込額はねんきん定期便・ねんきんネットや年金事務所でご確認ください。


まとめ:50代の判断は「受かるか」ではなく「65歳までをどう使うか」

50代の介護転職を決めるための材料を整理します。

この記事のまとめ

  • 50〜59歳の採用率は12.6%で40代の13.6%とほぼ同じ。細くなるのは65歳以上(採用率7.1%・離職率9.8%)
  • 65歳までの雇用確保措置は義務で、対象者を限定できた経過措置は2025年3月末に終了。70歳までは努力義務
  • いまの50代は特別支給の老齢厚生年金の対象外。年金は原則65歳からで、60〜64歳の収入は仕事で作る
  • 勤務形態は収入の高さでなく「体調が変わったときに戻せるか」で選ぶ。同一法人内の日勤の配属先が判断材料
  • 給与は50代と40代でほぼ同水準。落差は60歳以降(男性は月5万4,820円、女性は月2万7,460円下がる)
  • 職種で年齢構成が違う。訪問介護員は平均51.1歳・60歳以上26.6%、不足感も82.9%と7職種で最も高い

50代の転職は、条件を並べる順番を変えるだけで見え方が変わります。入口の給与ではなく、65歳までの10年と、その先の落差から逆算する。この順番で見ると、確かめる項目が自然に絞られます。

まずは通える範囲で、定年年齢・夜勤回数・資格取得支援の3点が書かれている募集を並べてみてください。

50代で確かめたい条件は、求人票の書き方に差が出ます。勤務形態と支援制度から絞り込んで、続けられる形の募集を見比べてみてください。

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免責事項

※本記事は執筆時点で公表されている法令・厚生労働省の統計・公益財団法人介護労働安定センターの調査等の公開情報をもとにした整理であり、個々の事業所の採用方針・人員配置・勤務体制・給与水準とは異なります。統計値は調査年度・母集団・集計対象によって変動し、個人の給与や採用結果を示すものではありません。定年・継続雇用の運用、社会保険や扶養の取り扱いは事業所・制度改正により変わります。年金の受給見込額・受給開始時期は生年月日と加入記録によって異なるため、ねんきん定期便・ねんきんネットまたは年金事務所でご確認ください。個別の労務相談・賃金や夜勤手当に関するトラブル・退職時の手続きなどは、各都道府県の介護労働安定センター・労働基準監督署・社会保険労務士・弁護士など有資格者・公的窓口にご相談ください。最終的な転職判断は、ご自身の健康状態・家族状況・家計を踏まえて行ってください。


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この記事を書いた人

Nakajimaです。高校を出てすぐ特別養護老人ホームに入り、そこから15年、特養10年・グループホーム3年・訪問介護2年を経て、いまはデイサービスで働いています。介護の4つの現場を全部歩いてきました。

働いて分かったのは、経験年数を重ねることより「施設のタイプを変えること」のほうが年収が上がりやすい、という現実でした。処遇改善加算が実際の給与にどう反映されるかも、勤めた4か所でずいぶん違います。私自身、転職を3回して、そのたびに手取りが変わっていきました。

いまはケアマネジャーの受験勉強をしながら、20歳の自分に教えたかったこと、転職に迷った30歳の自分に渡したかった情報を書いています。厚労省の実態調査とも突き合わせているので、施設選びの参考にしてください。

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