介護職の給与の平均は月33.8万円|施設種別・資格別の差と手取りを厚労省データで整理

介護職の給与の平均は、厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」で月33万8,200円(月給・常勤、処遇改善加算の取得事業所)。ただし施設種別で月6.7万円、資格の有無で月5.9万円の差があり、手取りは額面の75〜80%が目安です。

この記事でわかること

  • 介護職の給与の平均が月33万8,200円である根拠と、その金額に何が含まれているか
  • 「平均年収405万円」「月31.4万円」など出典で数字が食い違う理由と、自分に当てはめるべき数字の選び方
  • 額面と手取りがズレる理由と、手取りの目安と控除の内訳
  • 施設種別・資格・勤続年数で給与がどれだけ変わるか。3つの打ち手を同じ物差しで比較
  • 処遇改善加算が自分の給与に届く条件と、2026年6月からの期中改定で何が変わったか

公的情報源: 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」(参照)/厚生労働省「賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金について」(参照)/厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(参照)/日本年金機構「厚生年金保険料額表」(参照)/公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」(参照

給与の差がいちばん大きいのは施設種別です。今の職場の水準が相場からどれくらい離れているか、求人条件で確かめておくと判断が早くなります。

結論を先に整理します

介護職の給与の平均は、厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」(調査時期=令和6年10月)で月33万8,200円です。前年同月と比べて13,960円の増加。ただしこれは処遇改善加算を取得している事業所の、月給・常勤者の数字です。

同じ「平均」でも、賃金構造基本統計調査をもとにした厚労省の推移資料では、令和7年の介護職員の賞与込み給与は月31.4万円。求人サイトの平均年収はさらに別の数字になります。どの調査の数字かを確かめずに比べても意味がありません。

この記事の要点
  • 平均給与額 月33万8,200円の内訳は、基本給19万2,660円+手当9万7,980円+一時金4万7,560円(厚労省・令和6年度調査)
  • 毎月の給与明細に載る額面は約29万円。一時金が月割りで足されているため、平均額と手取りの体感がズレる
  • 施設種別の差が最大で、介護老人福祉施設36万1,860円 対 通所介護29万4,440円=月6.7万円
  • この6.7万円は勤続10年で積み上がる額(約6.0万円)とほぼ同じ規模。年数より職場選びが効く
  • 処遇改善加算は事業所が取得して初めて届く。2026年6月から加算率が引き上げられ、対象も介護従事者へ拡大


目次

介護職の給与の平均は月33.8万円(出典で数字が変わる理由)

介護職の給与の平均とは、厚労省の調査では基本給+手当+一時金の月割りを合計した1か月あたりの支給額です。令和6年度調査での平均給与額は月33万8,200円。まずこの金額の中身を分解します。

平均給与額33万8,200円の内訳

厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」(令和6年9月時点)によると、介護職員(月給・常勤)の平均給与額の内訳は次のとおりです。

介護職員の平均給与額の内訳(月給・常勤/令和6年9月・単位:円)

区分令和6年9月令和5年9月
平均給与額338,200324,240+13,960
うち基本給192,660188,420+4,240
うち手当97,98089,650+8,330
うち一時金(賞与等)47,56046,170+1,390

注目すべきは手当が9万7,980円と、給与全体の約3割を占めている点です。夜勤手当・処遇改善手当・資格手当・時間外手当がここに入ります。伸び幅でも手当が+8,330円と最大で、基本給の+4,240円を上回りました。

つまり介護職の給与は、基本給の高さより「どんな手当が、どれだけ乗るか」で決まる構造になっています。この構造が、後述する施設種別の差にそのまま表れます。

「405万円」「348万円」と数字が食い違う理由

介護職の給与を調べると、月33.8万円・月31.4万円・年収405万円・年収348万円と、まったく違う数字が並びます。理由は単純で、調査ごとに母集団と計算式が違うからです。

介護職の給与の平均は、厚労省の2調査と求人サイトで母集団と計算式が異なるため数字がずれる。
図:介護職の給与の「平均」は、出典によって母集団も計算式も違う

「介護職の給与の平均」を名乗る3つの数字の違い

出典金額(時点)母集団含まれるもの
厚労省 処遇状況等調査月33万8,200円(令和6年9月)処遇改善加算を取得した事業所の月給・常勤者基本給+手当+一時金の1/6
厚労省 賃金構造基本統計調査月31.4万円(令和7年)全国の介護職員(医療・福祉施設等)6月の給与+前年賞与の1/12
求人サイトの平均媒体ごとに異なる掲載中の求人募集時の提示額(幅の中央値等)

処遇状況等調査は加算を取得している事業所に限った数字なので、業界全体よりやや高めに出ます。一方の賃金構造基本統計調査は全国の介護職員が対象で、全産業との比較に向きます。求人サイトの平均は「募集条件」であって、実際に支払われた額ではありません。

自分の給与と比べるなら、施設種別・資格・勤続年数で細かく分かれている処遇状況等調査を使うのが実務的です。以降はこの調査の数字で統一します。


介護職の給与の手取りはいくらか

介護職の給与の手取りは、額面の75〜80%が目安です。平均給与額33万8,200円の人でも、毎月の口座に33万円が入るわけではありません。ここを取り違えると「平均より低い気がする」という誤解が生まれます。

毎月の額面は約29万円、残りは賞与

処遇状況等調査の平均給与額には、一時金(賞与等)の1/6が月割りで足されています。内訳の一時金4万7,560円がそれです。

したがって毎月の給与明細に載る額面は、基本給19万2,660円+手当9万7,980円で約29万円。賞与は年に数回まとめて支給されます。33.8万円という数字は、賞与を12か月にならした「年収の月平均」に近い性格を持ちます。

控除の内訳と手取りの目安

額面29万円の場合、控除される主なものは次のとおりです。金額は協会けんぽ・40歳未満・扶養なしを想定した概算で、料率は都道府県と年度によって変わります。

額面29万円の場合の控除と手取りの目安(月額・概算)

項目目安の金額備考
健康保険料約1.4万円都道府県ごとに料率が異なる
厚生年金保険料約2.7万円保険料率18.3%の労使折半
雇用保険料約0.2万円年度ごとに料率改定あり
所得税・住民税約1.5〜2万円扶養家族の有無で変動
控除合計約5.8〜6.3万円
手取り約23〜24万円額面の約80%

40歳以上になると介護保険料が上乗せされ、手取りはさらに月4,000〜5,000円ほど下がります。40歳を境に手取りが減るのは、給与が下がったわけではなく保険料区分が変わるためです。

賞与を含めた年収ベースでは、平均給与額33万8,200円×12か月で約406万円が計算上の目安。求人サイトが示す「介護職の平均年収400万円台」は、この計算に近い数字といえます。


施設種別で介護職の給与は月6.7万円ちがう

介護職の給与の差でもっとも大きいのは施設種別です。介護老人福祉施設(特養)の36万1,860円に対し、通所介護(デイサービス)は29万4,440円。厚労省・令和6年度調査で、その差は月6万7,420円ありました。

サービス種類別の平均給与額(月給・常勤/令和6年9月・単位:円)

サービス種類令和6年9月前年からの差夜勤
介護老人福祉施設(特養)361,860+14,890あり
特定施設入居者生活介護361,000+15,300あり
介護老人保健施設(老健)352,900+14,390あり
訪問介護349,740+16,930原則なし
介護医療院330,030+15,710あり
通所リハビリテーション319,310+11,480なし
小規模多機能型居宅介護305,220+10,470あり
認知症対応型共同生活介護(GH)302,010+11,820あり
通所介護(デイサービス)294,440+10,870なし
介護職の給与は入所系が月35万円台、通所系が月29.4万円台で、差の主因は夜勤手当を含む手当の厚み。
図:施設種別の給与差は「夜勤手当を含む手当の厚み」でほぼ説明できる(厚労省・令和6年度調査)

差の正体は夜勤手当を含む「手当」の厚み

上位に並ぶのは、特養・特定施設・老健といった夜勤のある入所系です。逆に下位は通所介護・通所リハビリテーションという日勤中心の通所系。この並びは、給与の3割が手当であるという構造とぴったり重なります。

夜勤手当の相場は1回あたり5,000〜8,000円程度が多く、月4〜5回入れば月2〜4万円。ここに深夜割増が加わるため、夜勤の有無だけで月3万円前後の差が生まれます。

訪問介護が月34万9,740円と入所系に迫るのは、別の理由です。移動と単独訪問の負担、そして資格要件が入口にあるぶん、時給・手当が高めに設定されています。ただし常勤か登録ヘルパーかで実収入は大きく変わるため、平均値だけで判断するのは危険です。

給与だけで施設を選ぶと続かない

給与の高い順に選べばいい、という話にはなりません。入所系の月35万円台は生活リズムの不規則さと引き換えに成り立っています。夜勤を続けられるかは体質と生活環境に左右され、続かなければ収入もそこで途切れます。

現実的な考え方は、「今の体力・家庭状況で無理なく続けられる範囲のなかで、いちばん手当が厚い形を選ぶ」こと。デイサービスから特養へ移って収入を上げる人もいれば、夜勤から離れて収入は下げつつ長く働き続ける人もいます。

施設種別を変えるだけで月6.7万円の差が生まれます。まずは自分の通える範囲に、どの種別の求人がいくらで出ているかを確かめるところからです。

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資格と勤続年数で介護職の給与はどれだけ上がるか

資格と勤続年数も給与を押し上げます。ただし効き幅は施設種別の差とほぼ同じ規模で、かかる時間だけが大きく違います

資格別の平均給与額

保有資格別の平均給与額(月給・常勤/令和6年9月・単位:円)

保有資格令和6年9月平均勤続年数
社会福祉士397,6209.3年
介護支援専門員(ケアマネ)388,08014.0年
介護福祉士350,05010.4年
実務者研修327,2606.9年
介護職員初任者研修324,8308.8年
保有資格なし290,6205.8年

資格なし29万620円に対し、介護福祉士は35万50円で月5万9,430円の差。初任者研修でも資格なしより月3万4,210円高い水準です。介護福祉士は実務経験3年+実務者研修修了を経て国家試験、という道のりがあり、到達までにおおむね3〜4年かかります。

なお社会福祉士やケアマネの金額が高いのは、職務そのものが相談援助やケアプラン作成に移るためです。介護職として同じ仕事をしながら手当だけが上がる、という読み方はできません。

勤続年数別の平均給与額

勤続年数別の平均給与額(月給・常勤/令和6年9月・単位:円)

勤続年数令和6年9月平均年齢
1年298,76040.4歳
2年309,63040.5歳
3年316,08042.2歳
4年322,37042.7歳
5〜9年335,64045.3歳
10年以上359,04048.9歳

勤続1年の29万8,760円から10年以上の35万9,040円まで、10年かけて上がる額は月6万280円。1年あたりに直せば約6,000円です。

「勤続10年分」と「施設を変える差」はほぼ同じ規模

ここが給与を考えるうえでの分岐点です。3つの打ち手を同じ物差しで並べると、効き幅はどれも6万円前後。違うのは到達までにかかる時間だけでした。

介護職が給与を上げる打ち手のうち、施設種別を変える差(約6.7万円)は勤続10年分(約6.0万円)と同規模。
図:勤続10年で積み上がる額と、施設種別を変えたときの差はほぼ同じ規模(厚労省・令和6年度調査の平均給与額で比較)
打ち手効き幅(月額)かかる時間
施設種別を変える約6.7万円転職1回
勤続を重ねる約6.0万円約10年
資格を取る(介護福祉士)約5.9万円実務3年+試験

同じ職場で10年かけて上がる額を、施設種別を変える転職1回で動かせる計算になります。 もちろん転職には人間関係のリセットや夜勤の増加といったコストが伴うため、単純な優劣ではありません。

ただ「給与が上がらないから、とりあえずあと数年がんばる」という判断は、データ上いちばん時間対効果が低い選択です。資格取得と職場選びを並行させるほうが、同じ年数で届く水準は高くなります。


処遇改善加算はどう給与に反映されるか(2026年6月の改定を含む)

処遇改善加算は、事業所が届出をして初めて給与に届く仕組みです。制度があるからといって、全員に自動で支給されるわけではありません。

2024年6月の一本化から2026年6月の期中改定まで

介護職員等処遇改善加算は、2024年(令和6年)6月に3つの加算(処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)が一本化されて生まれた制度です。区分は加算Ⅰ〜Ⅳ(経過措置のⅤを含む)。

さらに厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」によると、2026年(令和8年)度は令和9年度改定を待たずに期中改定が実施され、改定率は+2.03%(処遇改善分+1.95%)となりました。主な変更は次の3点です。

  1. 対象の拡大:介護職員のみから介護従事者へ広げ、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げ
  2. 上乗せ区分の新設:生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員に月0.7万円(2.4%)を上乗せ(加算Ⅰロ・Ⅱロ)
  3. 新たな対象サービス:訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援等にも加算を新設

合計で介護職員は最大月1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.2万円込み)となる措置です。新しい加算率が適用されるのは令和8年6月以降の算定分から。2026年4〜5月分は従来の加算率が使われました。

加算は事業所が取得して初めて給与に届く

厚労省・令和6年度調査によると、加算を取得している事業所は95.5%。一方で、最上位の加算Ⅰを取得しているのは45.7%にとどまります。

処遇改善加算は事業所の取得区分で金額が変わり、未取得の4.5%の事業所では加算分の賃上げが届かない。
図:処遇改善加算は事業所が取得して初めて給与に届く(取得状況は厚労省・令和6年度調査)

さらにサービス種類別に見ると差は大きく、介護老人福祉施設は加算Ⅰが80.1%に対し、通所リハビリテーションは未取得が21.3%でした。同じ制度の下でも、勤める事業所によって届く金額はまったく違います。

配分の方法も事業所ごとに異なります。基本給に組み込むのか、処遇改善手当として毎月出すのか、一時金でまとめるのか。基本給に入れば残業単価や賞与の算定基礎も上がるため、同じ金額でも長期の効き方が変わります。

求人票と面接で確認すべき3点

加算の反映は求人票の文面からある程度読み取れます。転職時に確認したいのは次の3点です。

  1. 加算の区分:「処遇改善加算Ⅰ取得」等の記載があるか。無ければ面接で聞く
  2. 配分の方法:基本給/毎月の手当/一時金のどれで支給されるか
  3. 金額の内訳:求人票の「月給25〜32万円」に、加算分と夜勤手当が何回分含まれているか

求人票の月給幅は、夜勤回数の想定で上限が作られているケースが少なくありません。上限額だけを見て応募すると、入職後に「思っていた額と違う」となりがちです。内訳を確認するだけで、この食い違いは避けられます。


介護職の給与が全産業平均より低いといわれる理由

介護職の給与は上がり続けていますが、全産業平均との差は残っています。厚労省が賃金構造基本統計調査をもとにまとめた推移では、令和7年の介護職員の賞与込み給与は月31.4万円、全産業平均(役職者を除く)は月39.6万円。その差は月8.2万円です。

差が縮まりきらない背景には、いくつかの構造的な要因があります。

  • 介護報酬が公定価格:サービスの価格を事業所が自由に決められないため、賃上げの原資が報酬改定に強く依存する
  • 平均勤続年数の短さ:令和6年度調査で介護職員の平均勤続年数は9.5年。勤続に応じた昇給が積み上がりにくい
  • 役職ポストの少なさ:現場職から管理職への枠が限られ、昇進による大幅増を得られる人数が少ない
  • 非正規比率の高さ:パート・登録ヘルパーの割合が高く、平均を押し下げる

一方で、前年比+13,960円(+4.3%)という伸びは小さな数字ではありません。加算の一本化と2026年6月の期中改定は、この差を縮める方向に働きます。制度が動いている時期は、事業所ごとの対応差が給与差として表れやすい時期でもあります。


給与を上げたいときの優先順位

給与を上げる打ち手には向き不向きがあります。効き幅が同じでも、置かれた状況によって取るべき順番は変わります。

転職で給与が上がりやすい人

  • 通所系で日勤のみ、かつ夜勤に入れる体力と生活環境がある:入所系への移動で月3〜6万円の伸びしろ
  • 資格を持っているのに手当が付いていない:資格手当の有無は事業所差が大きく、移るだけで是正できる
  • 勤続3年未満で加算Ⅲ・Ⅳ以下の事業所にいる:勤続が浅いほど転職の機会損失が小さい
  • 実務経験3年が見えている:介護福祉士取得と職場変更を重ねると効き幅が足し算になる

今の職場で積んだほうがよい人

  • 勤続8〜9年で10年以上の層が目前:勤続10年以上で月35万9,040円。到達直前に離れると積み上げを失う
  • 実務経験3年の受験要件まで残りわずか:受験資格を取り切ってから動くほうが選択肢が広がる
  • すでに加算Ⅰ取得+基本給に配分されている:条件面では上位。人間関係など別の理由がなければ動く必要は薄い
  • 役職候補として打診を受けている:職位が上がれば給与の上げ幅は転職より大きくなり得る

無資格から始める場合は、資格取得の支援制度がある事業所やサービスを入口に選ぶと、資格分の約5.9万円に最短で近づけます。働きながら費用負担なく資格を取れる仕組みを持つ事業者もあります。

資格の有無で月5.9万円の差。働きながら資格取得を目指すなら、費用支援の条件を先に確認しておくと遠回りを避けられます。

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よくある質問

Q1:介護職の給与の平均はいくらですか?

月33万8,200円です。厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」(令和6年9月時点)における、処遇改善加算を取得している事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額です。基本給19万2,660円・手当9万7,980円・一時金4万7,560円の合計で、前年同月より13,960円の増加でした。

Q2:介護職の平均年収はいくらですか?

平均給与額33万8,200円を12か月分に換算すると約406万円が目安です。ただしこの数字には一時金(賞与等)が月割りで含まれています。別の調査である賃金構造基本統計調査をもとにした厚労省資料では、令和7年の介護職員の賞与込み給与は月31.4万円で、12か月換算では約377万円。どちらの調査を使うかで年収の見え方は約30万円変わります

Q3:介護職の手取りはいくらくらいですか?

額面の75〜80%が目安です。平均給与額33万8,200円のうち一時金を除いた毎月の額面は約29万円で、そこから社会保険料と税が引かれ、手取りは約23〜24万円が目安になります。40歳以上は介護保険料が加わるためさらに下がります。料率は都道府県・年度で変わるため、正確な金額は給与明細と最新の保険料額表で確認してください。

Q4:介護職でいちばん給料が高い施設はどこですか?

厚労省・令和6年度調査では介護老人福祉施設(特養)の36万1,860円が最も高く、次いで特定施設入居者生活介護の36万1,000円、介護老人保健施設の35万2,900円と続きます。いずれも夜勤のある入所系です。もっとも低いのは通所介護(デイサービス)の29万4,440円で、特養との差は月6万7,420円でした。

Q5:介護福祉士を取ると給料はどれくらい上がりますか?

平均で月5万9,430円の差があります。厚労省・令和6年度調査では、保有資格なしの平均給与額が29万620円、介護福祉士が35万50円でした。ただしこれは資格手当だけの差ではなく、勤続年数や職位の違いも含んだ平均です(介護福祉士の平均勤続年数は10.4年、資格なしは5.8年)。資格手当そのものの相場は月5,000〜15,000円程度が一般的です。

Q6:処遇改善加算は毎月いくらもらえますか?

事業所の取得区分・サービス種類・配分方法によって変わるため、一律の金額はありません。加算率はサービスごとに定められ、たとえば令和8年6月以降の訪問介護は加算Ⅰイで27.0%、通所介護は11.1%です。事業所に入った加算額を職員へどう配分するかも事業所裁量のため、基本給・毎月の手当・一時金のどれで支給されるかを面接で確認するのが確実です。

Q7:2026年の介護報酬改定で給料はいくら上がりましたか?

厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」によると、改定率は+2.03%(処遇改善分+1.95%)。介護従事者に幅広く月1.0万円(3.3%)、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員にはさらに月0.7万円(2.4%)が上乗せされ、合計で最大月1.9万円(6.3%)の賃上げとなる措置です(定期昇給0.2万円込み)。新しい加算率の適用は令和8年6月以降の算定分からで、実際の反映額は事業所の取得区分によって異なります。


まとめ:介護職の給与は「年数」より「どこで働くか」で動く

介護職の給与の平均と、その差の構造を整理します。

この記事のまとめ
  • 介護職の給与の平均は月33万8,200円(厚労省・令和6年度調査/月給・常勤・加算取得事業所)。前年比+13,960円
  • 内訳は基本給19万2,660円+手当9万7,980円+一時金4万7,560円。手当が約3割を占める
  • 毎月の額面は約29万円、手取りは約23〜24万円が目安。平均給与額には賞与が月割りで入っている
  • 施設種別の差が最大で月6.7万円。これは勤続10年分(約6.0万円)・介護福祉士取得(約5.9万円)とほぼ同規模
  • 処遇改善加算は事業所が取得して初めて届く。加算Ⅰの取得は45.7%にとどまり、事業所差が大きい

給与を上げる打ち手のうち、もっとも短い時間で効くのは施設種別を変えることでした。とはいえ夜勤の有無は生活そのものを左右します。数字だけで決めず、続けられる形かどうかを併せて考えることが大切です。

まずは今の給与明細を開いて、基本給・手当・処遇改善分の内訳を確かめるところから。そのうえで同じ地域の他施設がいくらで募集しているかを見れば、自分の水準が相場のどこにあるかがはっきりします。

自分の給与が相場からどれだけ離れているかは、実際の求人条件を見るのがいちばん早い方法です。施設種別ごとの給与レンジを無料で確認できます。

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免責事項

※本記事は執筆時点で公表されている厚生労働省の統計・通知等の公開情報をもとにした整理であり、個々の事業所の給与水準・処遇改善加算の取得区分・配分方法とは異なります。社会保険料率・税額は都道府県および年度によって変わるため、手取り額は目安としてご覧ください。個別の労務相談・賃金や夜勤手当に関する紛争などは、各都道府県の介護労働安定センター・労働基準監督署・社会保険労務士など有資格者・公的窓口にご相談ください。


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この記事を書いた人

Nakajimaです。高校を出てすぐ特別養護老人ホームに入り、そこから15年、特養10年・グループホーム3年・訪問介護2年を経て、いまはデイサービスで働いています。介護の4つの現場を全部歩いてきました。

働いて分かったのは、経験年数を重ねることより「施設のタイプを変えること」のほうが年収が上がりやすい、という現実でした。処遇改善加算が実際の給与にどう反映されるかも、勤めた4か所でずいぶん違います。私自身、転職を3回して、そのたびに手取りが変わっていきました。

いまはケアマネジャーの受験勉強をしながら、20歳の自分に教えたかったこと、転職に迷った30歳の自分に渡したかった情報を書いています。厚労省の実態調査とも突き合わせているので、施設選びの参考にしてください。

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