介護の面接で聞かれる質問と答え方|採用側が確かめたい5つの論点・服装・逆質問・落ちる人の共通点

介護の面接の質問は、採用側が確かめたい5つの論点に分けて準備すると答えに迷いません。事業所の18.7%が「定着率が低く困っている」と回答しており(介護労働安定センター・令和7年度)、質問の芯にあるのは長く続けられるかの見極め。落ちる原因も、態度より回答の構造にあります。

この記事でわかること

  • 介護の面接の質問を「採用側が確かめたい5つの論点」に分けて準備する方法
  • 同じ質問でも特養・デイ・訪問・グループホームで意図が変わること
  • 落ちる人の共通点を、態度論ではなく回答の構造(条件・退職理由・動機の出し方)で説明
  • 逆質問を「聞くと何が分かるか」で選ぶ方法と、求人票との突き合わせ方
  • 服装・持ち物・当日の流れと、未経験/40代以上/ブランク/異業種で追加される質問
  • 厚生労働省の考え方にもとづく「答える義務のない質問」と、聞かれたときの返し方

公的情報源: 介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」結果の概要(参照)/厚生労働省「公正な採用選考の基本」(参照)/「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」(参照

面接の答えは、応募先の勤務条件を知らないと作れません。夜勤の回数や配置人数を求人条件で眺めておくと、話す材料と逆質問が同時にそろいます。

結論を先に整理します

介護の面接で聞かれる質問は数十通りありますが、採用側が確かめたいことは5つしかありません。質問文を丸暗記するより、5つの論点ごとに材料を1つずつ用意するほうが早く、応用も利きます。

面接官は、あなたが「入ってから何をする人か」を短い時間で見積もろうとしています。だから同じ「夜勤はできますか」でも、特養とデイサービスでは知りたいことが違うわけです。

この記事の要点

  • 質問は①続けられるか ②夜勤とシフトに入れるか ③利用者と家族に向き合えるか ④チームで動けるか ⑤事故と急変にどう反応するかの5論点に集約される
  • 同じ質問でも施設種別で意図が変わる。応募先の種別を先に押さえてから答えを組む
  • 落ちる原因は態度より回答の構造。条件を最後まで出さない・前職の不満で終わる・「人の役に立ちたい」で止まるの3つが典型
  • 逆質問は「聞くと何が分かるか」で選ぶ。人員配置・夜勤体制・記録の方法・教育の有無の4点が効く
  • 本籍・家族の職業・思想信条など、答える義務のない質問がある(厚生労働省「公正な採用選考の基本」)


目次

介護の面接の質問は「採用側が確かめたい5つの論点」に分かれる

介護の面接の質問は5つの論点に分かれる

  • 質問文を暗記せず、論点ごとに材料を1つ用意する
    • 論点1:長く続けられるか自己紹介/職歴/退職理由/志望動機/いつから働けるか。採用側が最も時間を割く論点
    • 論点2:夜勤とシフトに入れるか夜勤の可否/早番・遅番/土日祝/残業/扶養の範囲。シフトが組めるかは採否に直結する
    • 論点3:利用者と家族に向き合えるか介護の仕事を選んだ理由/対応が難しい方への接し方/家族からの苦情への反応
    • 論点4:チームで動けるか報告・連絡の仕方/職員と意見が食い違ったとき/前職での人間関係の扱い方
    • 論点5:事故と急変にどう反応するか転倒を見つけたとき/ヒヤリハットの報告/急変時の初動。介護ならではの質問

図:介護の面接の質問は「採用側が確かめたい5つの論点」に集約される

面接の準備でつまずく人の多くは、質問リストを上から順に暗記しようとします。ところが本番では言い回しが変わるため、暗記した答えは使えません。

そこで、質問ではなく「確かめたい論点」で束ねると、初見の質問にも対応できます。5つの論点それぞれに、自分の経験から材料を1つずつ用意しておけばよいからです。

「人手不足だから受かる」が成り立たない理由

介護は人手不足の業界です。介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」でも、従業員が不足しているとした事業所は65.8%にのぼります。

ただし、それは「誰でも採る」という意味ではありません。同じ調査で、採用した従業員をどう評価したかを見ると、内訳はこうなります。

採用した従業員の人数・質の評価(令和7年度 介護労働実態調査)

評価割合読み取れること
人数・質ともに確保できていない30.6%採れず、採った人にも満足していない
質には満足だが、人数は確保できていない27.6%数は足りないが基準は下げていない
人数は確保できているが、質には満足していない22.2%採用のミスマッチが起きている
人数・質ともに確保できている19.7%満足しているのは約5事業所に1つ

「質には満足していない」と答えた事業所は、合わせて52.8%。つまり半数以上が、採った人に対して物足りなさを感じています。だから面接では、数合わせではなく中身を見られます。

定着の悩みも同じ方向を向いています。「定着率が低く困っている」とした事業所は18.7%、特別養護老人ホームなどの施設系(入所型)に限ると27.7%。離職率は12.4%で、29歳以下では17.3%と高めです。

面接官が最も知りたいのは、採って育てたあとに残ってくれるか。5つの論点のうち論点1に最も時間が割かれるのは、このためです。

同じ質問でも施設種別で意図が変わる

質問文が同じでも、施設種別によって確かめたいことは変わります。応募先の種別を先に押さえてから答えを組むと、ずれた回答になりません。

施設種別で変わる質問の意図

施設種別「夜勤はできますか」で確かめたいこと特に重く見られる論点
特別養護老人ホーム少人数の夜勤帯を任せられる体力と判断力があるか論点5(事故と急変)・論点2
デイサービス夜勤はないが、送迎の運転と時間内の段取りができるか論点3(会話・家族対応)・論点4
訪問介護単独訪問で自分だけで判断できるか、移動が続けられるか論点3(一対一の関係)・論点5
グループホーム少人数ユニットの夜勤を1人で回せるか論点4(相性)・論点3(認知症ケア)
有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅夜勤・宿直の別と、接遇レベルを保てるか論点3(家族対応)・論点4

たとえば特養で「夜勤はできますか」と聞かれているとき、面接官の頭にあるのは「この人に夜間の急変対応を任せられるか」です。ここで「体力には自信があります」だけで終わると、答えが論点から外れます。

デイサービスで同じ質問が出たら、意図は「送迎を含めた1日の段取りを回せるか」。答えの材料も変えたほうが噛み合います。


論点1|長く続けられるか(自己紹介・職歴・退職理由・志望動機の話し方)

論点1で聞かれるのは、自己紹介・職歴・退職理由・志望動機・入職可能日です。どれも「この人は残るか」を確かめるための材料として聞かれています。

ここが5つの論点のうち最も配点が高い部分。時間もいちばん長く割かれます。

自己紹介は1分・3ブロックで組む

自己紹介は、経歴の朗読ではありません。1分程度で、次の3ブロックに分けて話すと過不足がなくなります。

  1. 名前と、これまで何をしてきたか(1文)
  2. そのなかで身につけたこと、または介護に関心を持った出来事(2文)
  3. 今日この施設を受けている理由と、意気込み(1文)

ポイントは、3ブロック目で「この施設」に着地させること。ここが一般論のままだと、志望動機を聞かれる前に印象が薄くなります。

職歴は「規模と担当」を数で言う

経験者の場合、職歴は数で言うと一気に伝わります。定員何人の施設か、ユニット制か、夜勤は月何回か、担当していた業務は何か。

定員80名の特別養護老人ホームで4年、ユニット型で夜勤は月4回でした。食事・入浴・排泄の介助に加え、記録と申し送りを担当していました。

未経験なら、前職の仕事を介護の場面に翻訳して話します。接客なら傾聴と家族対応、事務なら記録の正確さ、運転職なら送迎、体力を使う仕事なら身体介護への適性が武器になります。

退職理由は事実を変えずに向きだけ変える

退職理由は、ほぼ全員が聞かれる質問です。そして最もつまずきやすい質問でもあります。

介護労働実態調査(令和7年度)によれば、直前の仕事が介護関係だった人の退職理由は「職場の人間関係に問題があったため」が27.3%で最多。その内訳では「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」が45.8%を占めます。

つまり人間関係を理由に辞めるのは、介護では珍しくないどころか最多です。それでも面接でそのまま言うと不利になるのは、面接官が「同じ状況になったらまた辞めるのでは」と読むからです。

事実を偽る必要はありません。変えるのは向きだけです。

退職理由の言い換え(事実は変えない)

実際に起きたこと面接での伝え方
上司の指導がきつく、続けられなかった指導や振り返りを丁寧に行う職場で、基礎から積み直したいと考えました
人員が足りず、ケアの質を保てなかった一人ひとりに時間をかけられる体制のもとで働きたいと考えました
夜勤が続き、体調を崩した体調を長く保てる働き方に切り替え、腰を据えて続けたいと考えました
給与が上がらなかった経験や資格の取得が評価につながる環境で、長く働きたいと考えました

大事なのは、不満で終わらせず「だから次はこうしたい」まで言い切ること。ここまで言えると、退職理由がそのまま志望動機につながります。

志望動機は「書いたもの」を口頭に直すだけ

志望動機は履歴書に書いた内容と同じで構いません。むしろ、書類と話す内容がずれるほうが不信感につながります。

口頭に直すときのコツは3つ。文章をそのまま読み上げず、結論から言う・1文を短くする・応募先の名前を必ず1回入れることです。書き言葉のまま話すと、暗記した文章に聞こえます。

例文そのものが必要な方は、施設タイプ別・年代別に整理した介護の転職 志望動機の例文をご覧ください。書いた内容を、この記事の型で口に出す、という順番になります。


論点2|夜勤とシフトに入れるか(勤務条件をいつ・どう伝えるか)

論点2は、シフトが実際に組めるかどうかの確認です。ここは配点というより、条件が合わなければ進めないという足切りに近い性質を持ちます。

夜勤の可否、早番・遅番、土日祝、残業、扶養の範囲。どれも曖昧に答えると、あとで食い違います。

夜勤・早番遅番は「できる範囲」を数で答える

「夜勤はできますか」に対して、無理をして「大丈夫です」と答えるのは危険です。入職後にシフトが組めず、早期離職の原因になります。

答え方は、できる/できないの二択ではなく、条件つきで数を出すのが正解です。

夜勤は月4回まで対応できます。子どもの学校行事がある月は、事前に相談させていただければ助かります。

現在は日勤のみですが、慣れてきた段階で夜勤にも入りたいと考えています。まずは3か月ほど日勤で流れを覚えさせてください。

「できません」と答える場合も、代わりに出せるものを添えます。土日に入れる、早番を多く取れる、繁忙期は融通が利く。ここまで言えると、条件の制約が印象の悪さに変わりません。

条件の話を最後まで出さないのが、いちばんまずい

給与や休みの話を切り出しにくいと感じる人は多いはずです。ただし、最後まで黙っているのは逆効果になります。

介護労働実態調査(令和7年度)で「現在の法人に就職した理由」を見ると、1位は「通勤が便利だから」で51.8%。次いで「職場の人間関係がよさそうだったため」35.1%、「自分のやりたい介護ができそうだったため」34.2%と続きます。

つまり実際に働いている人の半数は、通いやすさで職場を選んでいます。条件で選ぶことは、後ろめたいことではありません。

問題は条件を言うことではなく、順番です。志望動機の主役に条件を置くと「条件が合えば辞める人」に見えます。逆に最後まで隠すと、入職後に食い違って早期離職につながります。

勤務条件を出すタイミング

場面出す条件出し方
志望動機出さない仕事内容・理念に惹かれた理由を主役に
論点2の質問(夜勤・シフト)勤務可能な曜日・回数・時間帯できる範囲を数で。制約には代案を添える
逆質問残業・有給・シフト作成の実際「働き方を知りたい」という文脈で
内定後・条件提示時給与・手当・雇用形態の詳細書面で確認する

「いつから働けますか」「他に受けていますか」

入職可能日は、具体的な日付か週で答えます。「なるべく早く」では情報がありません。在職中なら「退職手続きに1か月ほどいただきたく、○月中旬から可能です」と伝えれば十分です。

他社の選考状況は、正直に答えて構いません。隠すと話が噛み合わなくなります。「同じ地域で2施設を受けています」と事実を述べ、そのうえで応募先への関心を一言添えれば、印象は下がりません。


論点3・4|利用者と家族に向き合えるか、チームで動けるか

論点3と論点4は、介護という仕事の性質そのものを見る質問です。技術は入職後に教えられるが、人への向き合い方は教えにくいという前提が採用側にあります。

だから未経験者ほど、この2つの論点の答えが評価を左右します。

「介護の仕事を選んだ理由」は具体のきっかけで答える

この質問は、動機の根っこが本人の中にあるかを見ています。抽象的な言葉だけだと、根っこが確認できません。

介護労働実態調査(令和7年度)で「介護の仕事で働こうと思ったきっかけ」を見ると、「身近に介護が必要な人がいた」が27.8%、「身近に介護の仕事をしている人がいた」が26.3%。半数以上が身近な出来事から入っています

だから、家族の介護・祖父母の入所・知人の話といった小さなきっかけで十分。むしろそこから何を感じたかを1文足すほうが、動機として伝わります。

「対応が難しい方がいたらどうしますか」

介護ならではの質問で、正解を答えることは求められていません。見られているのは、自分だけで抱え込まずに動けるかです。

まずは何が嫌だったのかを確かめて、無理に進めずに一度離れます。そのうえで、先輩や記録から普段の様子を教えていただき、チームで対応を合わせたいです。

未経験なら「経験がないので教えていただきながら」と正直に添えて構いません。危ないのは自分の力だけで解決すると言い切る回答で、これは現場では独断につながると受け取られます。

「職員と意見が食い違ったらどうしますか」

論点4の代表的な質問です。介護は多職種と交代制で動くため、意見の食い違いは日常的に起きます。

答えの軸は、その場で押し切らず、記録と申し送りに乗せること。「利用者にとってどちらが良いかに話を戻す」「その場で決めずに上長やカンファレンスに上げる」といった手順を言えると、チームで動ける人だと伝わります。

家族からの苦情への反応を聞かれたときも同じです。まず聞き切る、その場で判断や約束をしない、上長に報告する。この3手が言えれば十分に伝わります。


論点5|事故と急変にどう反応するか

論点5は、介護の面接に特有の質問です。転倒・誤嚥・急変への初動を聞くことで、リスクへの構えを確かめています。

未経験でも聞かれます。知識の正確さより、反応の型が見られている論点です。

「利用者が倒れているのを見つけたら」

この質問に対する答えの芯は、ほぼ決まっています。手順として言い切れると、経験の有無に関係なく評価されます。

  1. その場を離れず、声をかけて意識と呼吸を確かめる
  2. 自己判断で動かさず、大声で人を呼ぶ・ナースコールを押す
  3. 看護職員や上長へ報告し、指示を受ける
  4. 状況をそのまま記録し、事故報告につなげる

「自分で抱き起こす」「様子を見る」は避けたい答えです。骨折や頭部外傷を悪化させる恐れがあり、報告が遅れる原因にもなります。

ヒヤリハットを隠さないと言えるか

「自分のミスに気づいたらどうしますか」という質問もよく出ます。ここで求められているのは反省の言葉ではなく、すぐ報告すると言い切れるかです。

介護の事故は、多くが小さな見落としの積み重ねから起きます。だから施設は「隠さない人」を強く求めます。「ご迷惑をかけないよう気をつけます」で止めず、「気づいた時点ですぐ報告します」まで言うのが正解です。

経験者は「事故報告書やヒヤリハット報告を書いたことはありますか」と踏み込まれることがあります。件数や様式を細かく覚えている必要はありません。報告した経験があること、その後にどう改善したかを短く話せれば十分です。


未経験・40代以上・ブランク・異業種で追加される質問

基本の5論点に加えて、属性ごとに追加で聞かれる質問があります。どれも「うちで続けられるか」を別の角度から確かめる質問です。

属性別に追加される質問と答えの方向

属性追加で聞かれやすい質問答えの方向
未経験・無資格なぜ今から介護なのか/体力面は大丈夫か/資格を取る意思はあるかきっかけ+前職スキルの翻訳+資格取得の意思
40代以上年下の先輩から指導を受けられるか/体力の見通し素直に教わる姿勢+日勤中心など現実的な働き方
ブランクあり離れていた期間は何をしていたか/制度の変化についていけるか再開の理由+学び直す姿勢を具体的に
異業種から前職のスキルはどう活きるか/給与が下がっても続けられるか活きる場面を1つ具体的に+長く働く意思

未経験・無資格の場合

未経験は不利ではありません。介護労働実態調査(令和7年度)では、中途採用の介護職員・訪問介護員の直前の仕事として「介護・福祉・医療関係以外の仕事」が最も多く、それぞれ36.1%・40.3%。そのうち約85%は、それまで介護の仕事の経験がない人でした。

つまり異業種からの入職は例外ではなく、主要なルートです。答えでは、経験のなさを謝るのではなく、前職の何が活きるかを1つ具体的に挙げます。

入口の選び方や資格の順番は、介護職への未経験転職で整理しています。

40代以上の場合

40代以上でよく出るのが「年下の先輩から指導を受けることに抵抗はありませんか」という質問です。遠回しに聞かれることもあります。

ここは素直に教わる姿勢を、具体的な言い方で示すのが有効です。「前職でも年下の担当者から手順を教わる場面がありました」といった実例を1つ添えると、言葉だけになりません。

年代別の採用実態と現実的な働き方は、40代の介護転職で数字とあわせてまとめています。

ブランク・異業種の場合

ブランクは、空白そのものより再開の理由が問われます。「子育てが一段落した」「家族の介護を通じて関心が戻った」など、再開の理由を先に言えば、期間の長さは論点から外れます。

異業種は「給与が下がっても続けられますか」と聞かれることがあります。ここは無理に大丈夫と言い切らず、「調べたうえで納得しています」「資格取得で上げていきたい」と、現実を踏まえた答えにするほうが信用されます。

未経験・無資格からなら、働きながら資格を実質0円で取れる派遣という入り方もあります。面接で「働きながら資格を取り、長く続けたい」と言える根拠にもなるので、条件を無料相談で確認しておくと準備がしやすくなります。

かいご畑で資格取得応援の条件を無料で確認する(PR)詳細はリンク先をご確認ください


介護の面接で落ちる人の共通点は、態度ではなく回答の構造にある

落ちる回答と通る回答の構造

落ちる回答の構造
志望動機
「人の役に立ちたい」で止まり、どの施設にも出せる文になっている
退職理由
前職の不満で終わり、「だから次はこうしたい」が無い
勤務条件
最後まで出さない。または志望動機の主役にしてしまう
困った場面
自分の力だけで解決すると言い切る。報告が出てこない
逆質問
「特にありません」。または調べれば分かることを聞く
通る回答の構造
志望動機
きっかけ+応募先の特徴を1つ結び、入職後の働き方まで言う
退職理由
事実は変えず、向きだけ前へ。次にどう働きたいかで締める
勤務条件
論点2の質問と逆質問で出す。制約には代案を添える
困った場面
抱え込まず、確かめる・呼ぶ・報告するの手順で答える
逆質問
人員配置・夜勤体制・記録・教育など、体制が見える質問をする

図:落ちるかどうかを分けるのは態度ではなく、回答の組み立て方

落ちる理由として挙げられがちなのは、身だしなみや声の大きさといった態度の話です。もちろん清潔感は前提ですが、それだけで落ちる人はそう多くありません

実際に評価を落とすのは、答えの内容そのものより組み立て方です。ここでは典型的な3つの構造を挙げます。

1|条件の話を最後まで出さない

シフトや通勤の制約を最後まで言わないと、面接官は勤務可能な形を描けません。描けない以上、シフトに組み込めるかを判断できず、決め手を欠いたまま終わります。

条件は隠すものではなく、出す場所を選ぶもの。論点2の質問と逆質問で出せば、志望度を下げずに伝わります。

2|前職の不満で終わる

「人間関係が悪かった」「人手が足りなかった」で話が終わると、面接官の頭には「同じ状況ならまた辞める」という予測だけが残ります。

必要なのは不満のあとに来る一文です。「だから、振り返りを丁寧に行う職場で基礎から積み直したい」まで言うと、退職理由が志望動機に変わります。

3|「人の役に立ちたい」で止まる

この言葉自体は悪くありません。ただし、そこで止まるとどの施設にも出せる内容になります。介護の面接官は同じ言葉を毎回聞いているため、区別がつきません。

止まらないための足し算は2つ。なぜ介護なのかを具体のきっかけで示すことと、なぜこの施設なのかを応募先の特徴で示すことです。求人票や公式サイトから特徴を2つ拾い、自分のきっかけと結ぶだけで固有の文になります。

そのほか、印象を落とす細かい要素

構造の話に加えて、次の点も確認しておくと安心です。いずれも準備で消せる要素です。

  • 応募先の種別(特養・デイ・訪問など)を取り違えて話す
  • 「御社」と言ってしまう(介護では「貴施設」「貴事業所」)
  • 履歴書と話す内容が食い違う
  • 爪・髪・服のしわなど、清潔感に関わる部分が整っていない

逆質問は「何を聞くか」より「聞くと何が分かるか」で選ぶ

逆質問と、そこから分かること

体制が見える逆質問
日勤帯は利用者何名を何名の職員で見ていますか
人員配置の実態。基準ぎりぎりか余裕があるかが分かる
夜勤は何名体制で、月何回くらいですか
夜勤の負担と、欠員時に負荷が集中する構造かどうか
記録は紙ですか、タブレットや介護ソフトですか
記録にかかる時間と、残業が発生しやすいかどうか
入職後はどなたに教えていただく形になりますか
教育担当が決まっているか、放り出されないか
直近1年で入職された方は何名いらっしゃいますか
採用と定着の実態。入れ替わりの激しさが見える
判断材料が増えない逆質問
特にありません
関心が薄いと受け取られ、確認の機会も失う
理念を教えてください
公式サイトに書いてある。調べていないと伝わる
残業は多いですか
「多くはない」で終わる。時間や理由が出ない
給与はどのくらい上がりますか
条件だけに関心があるように見え、答えも曖昧になる
人間関係は良いですか
悪いと答える面接官はいない。事実が取れない

図:逆質問は「聞くと何が分かるか」で選ぶと、確認と評価を同時に満たせる

逆質問は、アピールの場であると同時に、入職後のミスマッチを防ぐ最後の確認の場です。だから「何を聞くか」ではなく「聞くと何が分かるか」で選びます。

用意するのは2〜3個で十分。すべて聞き切る必要はなく、面接の流れで残ったものを聞けば構いません。

人員配置を聞くと、働きやすさの土台が見える

介護労働実態調査(令和7年度)で仕事の満足度を見ると、マイナスが最も大きいのは「人員配置体制」で▲18.5ポイント。賃金水準(▲12.3ポイント)よりも不満が強い項目です。

特別養護老人ホームの人員基準は、「介護職員及び看護職員の総数は、常勤換算方法で、入所者の数が三又はその端数を増すごとに一以上」と定められています(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準)。これは最低ラインで、実際の日中の配置は施設ごとに違います

だからこそ「日勤帯は利用者何名を何名で見ていますか」という質問が効きます。数字で返ってくれば体制が具体的に分かり、答えづらそうなら、それも1つの情報です。

夜勤体制・記録・教育の3点

夜勤は「何名体制で月何回か」を聞くと、負担の大きさと欠員時のしわ寄せが見えます。記録は「紙か、タブレットや介護ソフトか」で、残業の出やすさが変わります。

教育については、聞いておく価値がとくに高い項目です。介護関係の仕事を辞めた理由で最多だった「職場の人間関係」のうち、45.8%が「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」でした。

教える担当者が決まっているかどうかは、この部分に直結します。「入職後はどなたに教えていただく形になりますか」と聞けば、体制の有無がそのまま返ってきます。

求人票・公表情報と突き合わせて使う

逆質問の答えは、単独で判断しないほうが精度が上がります。求人票の記載、面接での回答、公表情報の3つを突き合わせると、ずれが見えるからです。

介護保険サービスの事業所は、職員数や勤務体制などが厚生労働省の介護サービス情報公表システムで公開されています。面接前に見ておくと、逆質問の精度が上がります。

求人票の書きぶりから施設を見分ける観点は、ブラックな介護施設の見分け方にまとめています。逆質問とセットで使うと判断材料が増えます。


介護の面接の服装・持ち物・当日の流れ

介護の面接 当日の流れ

  • 受付から退室まで、迷いやすいところだけ押さえておけば落ち着いて臨めます。
  • 1到着は5〜10分前早すぎる到着は現場の負担になる。近くで時間を調整し、施設内では携帯電話をしまう
  • 2受付で名乗る「◯時から面接のお約束をいただいております、◯◯と申します」。コートは建物に入る前に脱ぐ
  • 3待機中も見られている利用者や職員とすれ違ったら会釈する。スマートフォンは触らない
  • 4入室・着席ノックして入り、勧められてから座る。荷物は椅子の横の床に置く
  • 5質疑応答(20〜40分)5つの論点の質問が中心。最後に逆質問の時間が来る
  • 6施設見学がある場合フロアの匂い・職員の声かけ・利用者の表情を見る。その場で質問してよい
  • 7退室お礼を述べて一礼。建物を出るまでは面接の続きと考える

結果の連絡時期を聞き忘れたときは、逆質問の最後に確認しておくと待つ間が楽になります。

図:介護の面接は受付から退室までが評価の対象になる

服装は、指定がなければスーツが無難です。介護の現場では清潔感が最優先されるため、迷ったら整っているほうを選びます。

「私服可」と書かれていても、休日に着る服という意味ではありません。オフィスカジュアル程度が想定されています。

服装は季節で調整する

季節別・服装の目安

時期服装の目安気をつける点
春・秋落ち着いた色のスーツ、または襟付きシャツ+ジャケットしわ・毛玉。施設内は暖かいので厚着しすぎない
ジャケットなしの襟付きシャツ・ブラウスでも可汗の対策。ノースリーブ・サンダルは避ける
スーツ+コートコートは建物に入る前に脱ぐ。ブーツより革靴
見学を伴う場合動きやすさを優先。ヒールは低めか靴を持参フロアに上がるため、脱ぎ履きしやすい靴が楽

共通して見られるのは、髪・爪・においです。長い髪はまとめる、爪は短く切る、香水は使わない。いずれも入職後の身だしなみ基準と同じなので、そのまま評価につながります。

持ち物

  • 履歴書・職務経歴書(クリアファイルに入れる。郵送済みでも予備を1部)
  • 資格証の原本またはコピー(初任者研修・実務者研修・介護福祉士など)
  • 筆記用具とメモ帳
  • 求人票のコピー(条件の確認に使う)
  • 印鑑・身分証(その場で書類記入を求められることがある)
  • 内履き(見学がある場合。指示があれば従う)

メモ帳は持っていくだけでなく、逆質問の答えをその場で書き留めると役立ちます。複数の施設を受けるとき、条件の記憶が混ざるのを防げます。


面接で答える義務のない質問もある

介護の面接では、家庭の事情に踏み込む質問が出ることがあります。夜勤や急なシフトに入れるかを確かめたい、という意図であることも多いはずです。

ただし、応募者の適性・能力に関係のない事項を採用選考で把握することについては、厚生労働省が明確な考え方を示しています。

適性・能力に関係のない事項とは

厚生労働省「公正な採用選考の基本」では、次のような事項を応募書類に書かせたり面接で尋ねたりして把握することは、就職差別につながるおそれがあるとしています。

採用選考で把握すべきでないとされる事項(厚生労働省)

区分具体例
本人に責任のない事項本籍・出生地/家族の職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産/住宅状況(間取り・部屋数など)/生活環境・家庭環境
本来自由であるべき事項宗教/支持政党/人生観・生活信条/尊敬する人物/思想/労働組合や社会運動への関与/購読新聞・雑誌・愛読書
選考の方法身元調査の実施/適性・能力に関係のない項目を含む応募書類/合理的・客観的な必要性が認められない健康診断

同じページでは、個人情報保護の観点からも、職業安定法第5条の5などにより社会的差別の原因となるおそれのある個人情報の収集は原則として認められないとされています。

聞かれたときの返し方

とはいえ、面接の場で「それは答えられません」と言い切るのは勇気が要ります。多くの場合、質問の裏にある心配ごとに答えれば十分です。

意図に答えて返す例

聞かれた質問意図されていること返し方の例
ご家族は何をされていますか夜勤や急な出勤に対応できるか家族の理解は得ています。夜勤は月4回まで対応できます
お子さんはまだ小さいですか急な休みが多くならないか病児保育の登録があり、家族とも分担できる体制です
持ち家ですか、賃貸ですか通勤・転居の可能性通勤は自転車で15分です。当面転居の予定はありません

質問が繰り返される、あるいは答えを拒んだことで不利益な扱いを受けたと感じた場合は、ハローワークや都道府県労働局の相談窓口に相談できます。応募先だけで抱え込まなくて構いません。


まとめ|介護の面接は「5つの論点」で準備すると迷わない

介護の面接で聞かれる質問と答え方を、採用側の意図から整理してきました。最後に要点を再掲します。

この記事のまとめ

  • 質問は①続けられるか ②夜勤とシフト ③利用者と家族 ④チーム ⑤事故と急変の5論点。論点ごとに材料を1つ用意する
  • 特養・デイ・訪問・グループホームで同じ質問の意図が変わる。種別を確かめてから答えの材料を選ぶ
  • 落ちる原因は態度より回答の組み立て方。条件を出さない・不満で終わる・「人の役に立ちたい」で止まるの3つ
  • 逆質問は人員配置・夜勤体制・記録・教育の4点。求人票と公表情報に突き合わせて使う
  • 服装は指定がなければスーツ。髪・爪・においは入職後の基準と同じ目で見られる
  • 本籍・家族・思想信条など、答える義務のない質問がある。多くは意図に答えれば足りる

面接は、選ばれる場であると同時に自分が働く場所を選ぶ場でもあります。逆質問で体制を確かめておくことは、入職後の自分を守ることにつながります。

複数の施設を並行して受けるなら、条件の突き合わせや面接日程の調整を任せられる相手がいると負担が減ります。介護に特化したサービスの違いは、介護転職エージェントの比較で施設タイプ別に整理しています。

面接の答えも逆質問も、応募先の勤務条件が分からないと作れません。夜勤の回数や配置人数、給与の幅を求人条件で確認しながら、話す材料を集めてみてください。

今すぐ介護タウンで施設タイプ別の求人を確認する(PR)詳細はリンク先をご確認ください

よくある質問

介護の面接について、応募前によく挙がる質問をまとめます。

Q1:介護の面接で必ず聞かれる質問は何ですか?

自己紹介・職歴・退職理由・志望動機・入職可能日の5つは、ほぼ全員が聞かれます。加えて夜勤やシフトの可否、介護の仕事を選んだ理由も高い確率で出ます。いずれも「長く続けられるか」を確かめるための質問です。質問文を暗記するより、5つの論点ごとに自分の材料を1つずつ用意しておくほうが、言い回しが変わっても対応できます。

Q2:介護の面接の服装は?私服でも大丈夫ですか?

指定がなければスーツが無難です。「私服可」と書かれていても、休日に着る服ではなくオフィスカジュアル程度が想定されています。ジーンズ、派手なプリント、露出の多い服、サンダルは避けてください。介護の現場では清潔感が最優先されるため、髪はまとめる、爪は短く切る、香水は使わない、しわのない服を着る、の4点を押さえれば十分です。

Q3:逆質問がないと落ちますか?

「特にありません」と答えたことだけで落ちるとは限りませんが、確認の機会を失うのは確かです。逆質問は入職後のミスマッチを防ぐ最後の場でもあります。日勤帯の配置人数、夜勤の体制と回数、記録の方法、教育担当の有無の4点から2〜3個を用意しておくと、意欲も伝わり、判断材料も同時に手に入ります。

Q4:面接でその場で採用と言われることはありますか?

あります。人員が急に足りなくなっている事業所では、面接当日に採用の意思を伝えられることがあります。ただし、即決だから良い職場とは限りません。その場で返事をせず、労働条件通知書や雇用契約書の内容を確認してから返答して構いません。「一度持ち帰って確認させてください」と伝えるのは、失礼にはあたりません。

Q5:未経験・無資格でも介護の面接に受かりますか?

受かります。介護労働安定センターの令和7年度調査では、中途採用の介護職員・訪問介護員の直前の仕事として「介護・福祉・医療関係以外の仕事」が最も多く、それぞれ36.1%・40.3%。そのうち約85%は介護の仕事の経験がない人でした。異業種からの入職は主要なルートです。面接では経験のなさを謝らず、前職で培った力が介護のどの場面で活きるかを1つ具体的に挙げましょう。

Q6:退職理由が人間関係のとき、面接でどう答えればいいですか?

事実は変えず、向きだけ前へ変えます。介護関係の仕事を辞めた理由では「職場の人間関係に問題があったため」が27.3%で最多(令和7年度 介護労働実態調査)で、珍しい理由ではありません。それでも不満で終わると「同じ状況ならまた辞める」と読まれます。「指導や振り返りを丁寧に行う職場で、基礎から積み直したい」のように、次にどう働きたいかまで言い切ってください。

Q7:家族構成や持病を聞かれたら答えないといけませんか?

厚生労働省「公正な採用選考の基本」では、本籍・家族の職業や収入・住宅状況・思想信条など、応募者の適性や能力に関係のない事項を面接で把握することは就職差別につながるおそれがあるとしています。多くの場合は、質問の裏にある心配ごと(夜勤に入れるか、急な休みが多くならないか)に答えれば足ります。答えを拒んだことで不利益な扱いを受けたと感じたときは、ハローワークや都道府県労働局の相談窓口に相談できます。


免責事項

※本記事は執筆時点の公開情報をもとにした面接準備の整理であり、採用の合否・選考結果を保証するものではありません。掲載の回答例はそのまま使うことを推奨するものではなく、ご自身の経験に置き換えてご利用ください。個別の労務相談・応募条件・雇用契約・採用選考に関わる判断は、ハローワーク・都道府県労働局・各都道府県の介護労働安定センター・社会保険労務士など公的窓口・有資格者にご相談ください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Nakajimaです。高校を出てすぐ特別養護老人ホームに入り、そこから15年、特養10年・グループホーム3年・訪問介護2年を経て、いまはデイサービスで働いています。介護の4つの現場を全部歩いてきました。

働いて分かったのは、経験年数を重ねることより「施設のタイプを変えること」のほうが年収が上がりやすい、という現実でした。処遇改善加算が実際の給与にどう反映されるかも、勤めた4か所でずいぶん違います。私自身、転職を3回して、そのたびに手取りが変わっていきました。

いまはケアマネジャーの受験勉強をしながら、20歳の自分に教えたかったこと、転職に迷った30歳の自分に渡したかった情報を書いています。厚労省の実態調査とも突き合わせているので、施設選びの参考にしてください。

目次