介護のパートの時給相場は1,321円|手取りを決める「週20時間」の壁と仕事内容

介護のパートは、時給の高さより「週に何時間働くか」で手取りが変わります。時間給で働く人の平均時給は1,321円(介護労働安定センター・令和7年度)。この水準だと週20時間を超えたあたりで、社会保険の加入要件と年収130万円の扶養ラインにほぼ同時に届きます。

この記事でわかること

  • 介護のパートの時給相場(平均1,321円・前年度比4.7%増)と、伸びている理由
  • 時給×1日の勤務時間×週の日数で出す月収・年収の早見表と、壁に当たる順番
  • 社会保険・扶養の106万円/130万円/160万円のラインと、2026年に変わる2点
  • デイ・訪問介護・入所系で仕事内容と入る時間帯がどう違うか
  • 時給が上がる4つの要素(資格・時間帯・身体介護・処遇改善手当)の中身
  • 直接雇用のパートと派遣・正社員で「何が変わるか」、無資格から入る入口

公的情報源: 公益財団法人 介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」(参照)/厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」(参照)/日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」(参照)/国税庁「No.1410 給与所得控除」(参照

「無資格でも入れるのか」「資格を取れば時給はいくら上がるのか」を先に知りたい方は、無資格・未経験の求人と資格支援に強いかいご畑で条件を見比べると、判断の材料が増えます。

結論を先に整理します

介護のパートで手取りを左右するのは、時給そのものより週の労働時間です。時給が上がるほど、同じ時間数でも壁に早く届きます。

介護の時給水準はこの数年で上がりました。その結果、「106万円の壁」という呼び名は介護のパートでは実態と合わなくなっています。実際に加入を決めているのは金額ではなく、週20時間という時間の要件です。

この記事の要点

  • 時間給で働く人の平均時給は1,321円(前年度比4.7%増・介護労働安定センター 令和7年度)
  • 時給1,321円なら週20時間で年約137万円。社会保険の加入要件と130万円の壁にほぼ同時に届く
  • 月8.8万円(年106万円)は週16時間ほどで超える。金額より先に時間の要件が効く
  • 2026年10月に月8.8万円の賃金要件が撤廃予定。2026年4月からは労働契約の内容で扶養を判定する扱いも加わる
  • 時給は資格・時間帯・身体介護・処遇改善手当の4要素で上がる。訪問介護は報酬の単位数が違うため差が出やすい


目次

介護のパートの時給相場は平均1,321円

介護のパートの時給は、時間給で働く人の平均で1,321円です。公益財団法人 介護労働安定センターの「令和7年度 介護労働実態調査」(2026年7月29日公表)で示された数字で、前年度に比べて4.7%増えています。

同じ調査の推移を見ると、平成28年度の1,067円から10年で250円以上の上昇です。介護の時給は止まっているのではなく、毎年上がり続けています。

時間給で働く介護労働者の平均時給の推移(介護労働安定センター)

年度平均時給備考
平成28年度1,067円推移の起点
令和3年度1,165円
令和5年度1,219円
令和6年度1,262円
令和7年度1,321円前年度比4.7%増

数字が上がっている背景にあるのは人手不足です。同じ調査では、訪問介護員が不足していると答えた事業所が82.9%で、7職種のうち最も高い水準でした。

求人の時給は地域と資格で上下する

平均が1,321円でも、実際の求人にはもっと幅があります。時給を動かすのは主に地域の最低賃金・保有資格・仕事の中身の3つ。

都市部は高く、地方は低めに出ます。無資格の入口と介護福祉士では、同じ施設でも200〜300円ほど差がつくことが珍しくありません。

平均はあくまで真ん中の目安です。自分の時給がどのあたりに立つかは、後半の「時給が上がる4つの要素」で分解します。


手取りを決めるのは時給ではなく「年収の壁」

ここが本題です。介護のパートで手取りを左右するのは、時給の高さより週に何時間働くかになります。時給が高いほど、同じ時間数でも壁に早く届くからです。

まず、時給1,321円で働いた場合の月収と年収を、勤務パターン別に出します。月の労働時間は「週の時間×4.33週」で計算した概算です。

勤務パターン別の月収・年収の目安(時給1,321円の場合)

勤務パターン週の労働時間月収の目安年収の目安関係してくる線
1日4時間×週3日12時間約6.9万円約82万円どの線にも当たらない
1日4時間×週4日16時間約9.2万円約110万円月8.8万円は超えるが週20時間未満
1日5時間×週4日20時間約11.4万円約137万円社会保険の要件と130万円に同時到達
1日6時間×週4日24時間約13.7万円約165万円所得税もかかり始める
1日6時間×週5日30時間約17.2万円約206万円社会保険に入って働く前提
1日8時間×週5日40時間約22.9万円約275万円正社員と比べる領域

週の労働時間が増えると、どの順で「壁」に当たるか

  • 時給1,321円(介護労働安定センター・令和7年度)で働いた場合の目安です。
  • 1週12時間/1日4時間×週3日月約6.9万円・年約82万円。社会保険にも扶養にも税にも影響しない範囲
  • 2週16時間/1日4時間×週4日月約9.2万円・年約110万円。月8.8万円は超えるが、週20時間に届かないので社会保険の対象外
  • 3週20時間/1日5時間×週4日月約11.4万円・年約137万円。社会保険の加入要件と130万円の扶養ラインにほぼ同時に届く
  • 4週24時間/1日6時間×週4日月約13.7万円・年約165万円。給与収入160万円を超えるので本人にも所得税がかかり始める
  • 5週30時間/1日6時間×週5日月約17.2万円・年約206万円。扶養に戻る選択肢はなく、社会保険に入って働く前提になる

時給が上がるほど、同じ勤務時間でも壁に早く届きます。時給1,500円なら週20時間で年約156万円です。

図:介護のパートは金額でなく「週の労働時間」の順に社会保険・扶養・所得税の線を越えていく

時給が上がるほど、扶養に収まる時間は短くなる

同じ「週20時間」でも、時給が違えば年収は変わります。扶養内で働きたい人にとっては、時給の上昇が手放しで喜べない話にもなります。

週の労働時間と時給から見た年収の目安

週の労働時間時給1,200円時給1,321円時給1,500円
12時間約75万円約82万円約94万円
16時間約100万円約110万円約125万円
20時間約125万円約137万円約156万円
24時間約150万円約165万円約187万円
30時間約187万円約206万円約234万円

年130万円未満に収めたい場合、上限は月108,333円です。時給1,200円なら週20.8時間まで働けますが、時給1,500円だと週16.7時間で頭打ちになります。

つまり「扶養内で長く働きたい」と「時給を上げたい」は、同時には満たせません。どちらを取るかを先に決めるほうが、あとで慌てずに済みます。

4つのラインの中身と、判定される条件

年収の壁と呼ばれる線は1本ではありません。所管も条件も違うので、分けて見ると混乱が減ります。

介護のパートに関係する年収のライン(2026年8月時点)

ライン何が起きるか判定される条件
年106万円(月8.8万円)勤務先の社会保険に加入する週20時間以上・月8.8万円以上・学生でない・2か月超の雇用見込み・勤務先の被保険者数51人以上をすべて満たしたとき
年130万円家族の健康保険の扶養から外れる年間の見込み収入が130万円未満(月108,333円以下)であること。過去の収入ではなく認定日以降の見込み額で見る
年160万円本人に所得税がかかり始める給与所得控除65万円+基礎控除95万円で課税所得が0になるライン(令和7年分以降)
年160万円配偶者特別控除が満額から減り始める配偶者の合計所得95万円(給与収入160万円)まで満額38万円

住民税は自治体ごとに非課税の基準が異なります。お住まいの市区町村の案内で確認してください。


2026年に「106万円の壁」は形が変わる

ここは制度が動いている部分なので、少し丁寧に見ます。結論から言うと、介護のパートでは「106万円の壁」はもともと機能していません。そして2026年10月には、その要件自体がなくなる予定です。

月8.8万円は、週16時間ほどで超えてしまう

社会保険(健康保険・厚生年金)の加入要件は5つあり、そのうち賃金の要件が「所定内賃金が月8.8万円以上」です。これを年収に直すとおよそ106万円になるため、106万円の壁と呼ばれてきました。

ところが時給1,321円では、月8.8万円に届くのは月66.6時間=週およそ15.4時間です。時給1,200円でも週16.9時間で到達します。

月8.8万円(賃金要件)に届く週の労働時間

時給月8.8万円に届く月の時間週に直すと
1,200円約73.3時間約16.9時間
1,321円約66.6時間約15.4時間
1,500円約58.7時間約13.5時間

いずれも週20時間より手前です。つまり介護の時給水準では、賃金要件を週20時間の要件より先にクリアしてしまいます。実際に加入を決めているのは週20時間という時間の側だ、ということです。

2026年10月に賃金要件が撤廃される予定

日本年金機構は、この月8.8万円の賃金要件について令和8年(2026年)10月に廃止予定と案内しています。撤廃後は、週20時間以上などの要件を満たせば、原則として賃金額にかかわらず加入の対象です。

介護のパートにとって、実質的な変化はほとんどありません。もともと賃金要件は先に満たしていたからです。呼び名だけが消えて、判定の軸が「週20時間」に一本化されると考えると分かりやすくなります。

企業規模の要件は段階的に下がる

もう一つの要件が勤務先の規模です。現在は被保険者数51人以上の企業等が対象で、ここから段階的に広がります。

社会保険の適用拡大(企業規模要件)のスケジュール

時期対象となる被保険者数
現在51人以上
2027年10月36人以上
2029年10月21人以上
2032年10月11人以上
2035年10月すべての事業所

介護は小規模な事業所も多い業界です。人数は事業所単位ではなく法人全体で数えるため、自分の勤務先が今どの区分かは事業所に直接確認するのが確実になります。

130万円の判定も2026年4月から変わる

扶養の130万円についても運用が変わります。日本年金機構は、令和8年(2026年)4月1日以降、労働条件通知書などの労働契約の内容から見込まれる年間収入が130万円未満であれば、原則として被扶養者に該当するものとして扱うと案内しています。

これまでは実際の収入の推移で判定されるため、繁忙期にシフトが増えた月があると不安になりました。契約の内容で見てもらえるなら、一時的な代替出勤で扶養を外れる心配は減ります

制度は動いている最中です。適用の可否は勤務先の法人や加入している健康保険によって扱いが変わるため、最終的な判断は勤務先・年金事務所・加入する健康保険組合で確認してください。


施設種別でパートの仕事内容と入る時間帯が違う

同じ「介護のパート」でも、働く場所によって仕事の中身も入る時間帯も変わります。求人票の「介護スタッフ」という言葉だけでは中身が分からないので、ここを分けて見ておくと失敗が減ります。

施設種別ごとのパートの仕事内容と入る時間帯

デイサービス(通所介護)
中心の業務
送迎、入浴介助、食事介助、レクリエーションの補助、記録
時間帯
朝の送迎と午前の入浴に業務が集中し、夕方の送迎でもう一山
パートの入り方
入浴介助のみ、送迎のみなど時間帯を切り出した求人が出やすい
夜勤・資格
夜勤は原則なし。無資格可の求人がある
訪問介護(登録ヘルパー)
中心の業務
身体介護(食事・入浴・排泄・移乗)と生活援助(調理・掃除・買い物)
時間帯
朝の起床、昼の食事、夕方の帰宅後に依頼が集中し、細切れになりやすい
パートの入り方
1件30分〜1時間の訪問を積み上げる。直行直帰が基本
夜勤・資格
夜間対応は事業所による。介護職員初任者研修以上が必須
特養・老健・有料(入所系)
中心の業務
24時間の生活支援。食事・入浴・排泄・移乗・見守り
時間帯
早番・日勤・遅番・夜勤のシフト。パートは時間帯を限定して入る
パートの入り方
入浴専従、食事介助の時間帯限定、夜勤パートなど役割で区切られる
夜勤・資格
夜勤パートの枠がある。無資格可の求人がある

図:デイは時間帯が二山、訪問は細切れ、入所系は役割で区切られる。同じパートでも生活への影響が変わる

デイサービスは朝夕の二山に業務が集まる

デイサービスは日勤のみで、生活リズムを崩しにくい働き方です。ただし業務の山は朝の送迎と午前の入浴に集中します。

そのため「9時〜14時」「入浴の時間だけ」といった時間帯を切り出したパート求人が出やすいのが特徴です。夜勤がない代わりに何を手放すのかは、デイサービスへの転職で配置基準から整理しています。

訪問介護は移動時間の扱いが働き方を決める

訪問介護のパートは、多くが登録ヘルパーという形です。1件30分〜1時間の訪問を積み上げ、事業所に寄らず直行直帰で回ります。

ここで必ず確認したいのが移動時間とキャンセル時の扱いです。移動時間に手当が出るか、利用者都合のキャンセルで補償があるかは事業所によって差があります。常勤と登録ヘルパーの分かれ道は訪問介護への転職で詳しく整理しました。

入所系は「時間帯限定の役割」で入りやすい

特養・老健・有料老人ホームなどの入所系は24時間動いています。パートはその一部を担う形になり、入浴専従や食事介助の時間帯だけという入り方ができます。

夜勤パートという選択肢もありますが、単価と回数の設計は別の話です。夜勤だけで組み立てる働き方は介護の夜勤専従はきつい?を参照してください。


介護のパートで時給が上がる4つの要素

介護のパートの時給は、勤続年数だけではなかなか動きません。上がるのは資格・時間帯・仕事の中身・手当のいずれかが変わったときです。

介護のパートの時給を動かす4つの要素

  • 時給は勤続年数ではなく、次の4つのどれかが変わったときに動く
    • 資格無資格→介護職員初任者研修→実務者研修→介護福祉士。資格手当が時給に上乗せされる求人が多い。訪問介護は初任者研修以上が就業の条件そのもの
    • 時間帯早番・遅番の時間帯手当。22時〜翌5時は労働基準法で25%以上の割増賃金がつくため、夜勤帯は時給換算が上がる
    • 仕事の中身(訪問介護)身体介護と生活援助では介護報酬の単位数が違う。身体介護の時給を高く設定している事業所が多い
    • 処遇改善の手当介護職員等処遇改善加算は事業所に入り、配分方法は事業所が決める。時給に乗るか一時金になるかは求人票と就業規則で確認する

図:介護のパートの時給は、資格・時間帯・仕事の中身・手当のどれかが変わったときに動く

資格は時給に最も直結する

いちばん確実なのは資格です。無資格から介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士と進むにつれて、資格手当が時給に乗る求人が増えます。

訪問介護に至っては、初任者研修以上を持っていないとそもそも働けません。資格が「手当」ではなく「入場券」になっている領域です。どの資格がどこで効くかは介護の資格が転職で有利になる理由で道筋を整理しています。

訪問介護で差がつくのは介護報酬の単位数が違うから

訪問介護のパートで「身体介護のほうが時給が高い」と言われるのには、制度上の理由があります。事業所に入る介護報酬そのものが違うからです。

訪問介護費の単位数(令和6年度介護報酬改定・1単位はおおむね10円)

区分所要時間単位数
身体介護中心型20分未満163単位
身体介護中心型20分以上30分未満244単位
身体介護中心型30分以上1時間未満387単位
生活援助中心型20分以上45分未満179単位
生活援助中心型45分以上220単位

同じ1時間弱でも、身体介護は387単位、生活援助は220単位です。事業所に入る額が1.7倍以上違うので、時給にも差をつけられます。

訪問介護で時給を上げたいなら、生活援助中心の依頼だけでなく、身体介護に入れる体制を整えることが近道になります。

処遇改善の手当は「配分の仕方」を確認する

介護職員等処遇改善加算は事業所に支払われる加算で、それをどう賃金に配分するかは事業所が決めます。基本の時給に乗せる事業所もあれば、一時金でまとめて出す事業所もあります。

パートも配分の対象になり得ますが、自動的に時給が上がるわけではありません。求人票に「処遇改善手当あり」と書かれていたら、時給に含まれるのか別途支給なのかまで聞いておくと安心です。仕組みは介護職員等処遇改善加算とはで整理しています。

資格を取れば時給は着実に上がりますが、受講料が先に出ていくのが悩みどころです。かいご畑には働きながら資格を実質0円で取得できる応援制度があり、「まず入って時給を上げる」動きが取りやすくなります。

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パート・派遣・正社員は「何が変わるか」で比べる

働き方を選ぶとき、時給の高い低いだけで比べると判断を誤ります。見るべきなのは雇用主・シフトの決まり方・賞与・社会保険・研修という、生活に効く5点です。

直接雇用のパート・派遣・正社員で変わること

直接雇用のパート
雇用主
働く施設・事業所そのもの
シフト
施設のシフトに組み込まれる。希望は出せるが職員間の調整が要る
賃金
時給制。時間給で働く人の平均は1,321円(介護労働安定センター 令和7年度)
賞与・昇給
事業所によるが小さい。処遇改善の一時金が出ることはある
社会保険
要件を満たせば勤務先で加入
研修
現場のOJTが中心。資格取得を支援する事業所もある
派遣
雇用主
派遣会社。働く施設とは指揮命令の関係だけ
シフト
契約で曜日・時間を固定しやすい
賃金
時給が高めに設定されやすい
賞与・昇給
登録型は原則なし。そのぶんが時給に織り込まれている
社会保険
要件を満たせば派遣会社で加入
研修
派遣会社の研修・資格支援を使える
正社員
雇用主
働く施設・事業所そのもの
シフト
夜勤・早番遅番を含めて担うことが多い
賃金
月給制。平均給与額は月33万8,200円(厚労省 令和6年度)
賞与・昇給
賞与・退職金・定期昇給がある
社会保険
加入が前提
研修
法人の研修体系に乗り、役職への道が開く

図:3つの働き方は時給の高低でなく、雇用主・シフト・賞与・社会保険・研修の5点で性格が分かれる

正社員の平均給与額は、厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査」で月33万8,200円(介護職員・月給・常勤の者)です。この額には賞与を月割りした分が含まれており、毎月の額面と賞与は別々に支給されます。内訳は介護職の給与の平均は月33.8万円で整理しました。

直接雇用のパートと派遣は「誰が雇うか」が違う

いちばん大きな違いは雇用主です。直接雇用のパートは施設と契約し、派遣は派遣会社と契約します。

この違いはシフトの決まり方に表れます。パートは施設のシフト表に組み込まれるため、人が足りない日には調整を頼まれることがあります。派遣は契約で曜日と時間が決まるので、予定を崩されにくいのが特徴です。

一方で、直接雇用のパートには「同じ職場で続けやすい」「正社員登用の対象になり得る」という強みがあります。派遣という働き方そのものの是非は介護派遣はやめたほうがいい?で時給と月収から検証しています。


無資格・ブランクからパートで入るときの入口

「資格がないから無理ではないか」と感じている方も多い領域です。結論としては、入所系とデイサービスには無資格可の求人があり、訪問介護にはありません。ここが最初の分かれ道になります。

無資格で応募できるかどうかの目安

働く場所無資格での応募補足
デイサービス可能な求人がある送迎・レク補助・食事介助から入りやすい
特養・老健・有料老人ホーム可能な求人がある介護助手・介護補助という名称の求人もある
グループホーム可能な求人がある1ユニット9人の少人数。家事的な支援の比重が高い
訪問介護不可介護職員初任者研修以上が就業の条件

無資格で介護に直接携わる場合、多くの事業所ではまず認知症介護基礎研修を受けてもらう運用になっています。短時間のeラーニングが中心で、受講費を事業所が負担するケースが一般的です。

ブランクがある人は「時間帯を限定した求人」から

数年のブランクがある場合、いきなりフルタイムに戻る必要はありません。入浴介助の時間だけ、送迎だけ、といった役割を限定した求人から戻る人は珍しくありません。

人手不足は続いており、令和7年度の調査でも従業員が不足していると答えた事業所は65.8%でした。ブランクがあることが、そのまま不利になる業界ではありません。

未経験からの入口の選び方は介護職への未経験転職で採用の実態から整理しています。


介護のパート求人で必ず確かめる5点

最後に、求人票の段階で潰しておきたい点をまとめます。ここを確認しておけば、入ってからの「思っていたのと違う」が減ります。

  1. 時給の内訳:基本時給・資格手当・処遇改善手当が分けて書かれているか
  2. 社会保険の加入条件:週何時間から加入になるか、勤務先の被保険者数は51人以上か
  3. シフトの最低ライン:「週2日〜」の実際の運用(本当に週2日で組めるのか)
  4. 時間帯の実態:入浴介助や送迎など、業務が集中する時間に入るのかどうか
  5. 訪問介護なら移動時間とキャンセル:移動時間の手当と、利用者都合のキャンセル時の補償

とくに2番目の社会保険の加入条件は、扶養内で働きたい人にとって最重要です。「週20時間未満で組めるか」を面接で確認しておくと、あとで勤務時間を削る相談をせずに済みます。

求人票からは読み取れない事業所の内情もあります。見学と面接で何を確かめるかはブラックな介護施設の見分け方で整理しています。


よくある質問

Q1:介護のパートの時給はいくらですか?

時間給で働く介護労働者の平均時給は1,321円です(公益財団法人 介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」)。前年度の1,262円から4.7%増えており、平成28年度の1,067円からは10年で250円以上上がっています。実際の求人は地域の最低賃金・保有資格・仕事の中身で上下し、無資格の入口と介護福祉士では同じ施設でも200〜300円ほど差がつくことがあります。

Q2:介護のパートは無資格でもできますか?

施設系はできますが、訪問介護はできません。デイサービス・特養・老健・有料老人ホーム・グループホームには無資格可の求人があり、「介護助手」「介護補助」という名称で募集されることもあります。一方、訪問介護は介護職員初任者研修以上が就業の条件になっているため、無資格では働けません。無資格で入る場合は、多くの事業所でまず認知症介護基礎研修を受ける運用になっています。

Q3:扶養内で働くなら週何時間までですか?

年130万円未満に収める場合、月の収入は108,333円以下が目安です。時給1,321円なら月82時間ほど、週に直すと約18.9時間が上限になります。時給1,200円なら週20.8時間まで、時給1,500円なら週16.7時間までです。時給が上がるほど働ける時間は短くなるため、時給が改定されたら勤務時間もあわせて見直してください。

Q4:2026年に「106万円の壁」はどうなりますか?

日本年金機構の案内では、社会保険の加入要件のうち月額8.8万円という賃金要件が令和8年(2026年)10月に廃止される予定です。撤廃後は、週20時間以上などの要件を満たせば原則として賃金額にかかわらず加入の対象になります。ただし介護のパートは時給水準が高く、月8.8万円には週15〜17時間で届いてしまうため、実際の分岐点はもともと週20時間でした。呼び名が消えるだけで、判断の軸は大きく変わりません。

Q5:介護のパートと派遣はどちらが得ですか?

時給だけを見れば派遣が高く、続けやすさでは直接雇用のパートに分があります。派遣は雇用主が派遣会社で、契約で曜日と時間を固定しやすい反面、契約更新が前提で賞与は原則ありません。直接雇用のパートは施設のシフトに組み込まれる代わりに、同じ職場で長く続けやすく、正社員登用の対象にもなり得ます。時給の差だけでなく、シフトの決まり方と続けやすさもあわせて比べるのが安全です。

Q6:介護のパートで時給を上げるにはどうすればいいですか?

上がるのは資格・時間帯・仕事の中身・手当のどれかが変わったときです。まず効くのは資格で、介護職員初任者研修から実務者研修、介護福祉士と進むほど資格手当が乗ります。早番・遅番や夜勤帯は時間帯手当や深夜割増(22時〜翌5時は25%以上)で時給換算が上がります。訪問介護では、生活援助より単位数の高い身体介護に入れる体制を整えることが近道です。処遇改善の手当は事業所が配分方法を決めるため、時給に含まれるのか別途支給かを確認してください。


まとめ|介護のパートは「週の時間」を先に決める

介護のパートを選ぶとき、時給の数字だけを追いかけると手取りの設計を外します。要点を再掲します。

この記事のまとめ

  • 時間給で働く人の平均時給は1,321円(前年度比4.7%増・介護労働安定センター 令和7年度)
  • 時給1,321円なら週20時間で年約137万円。社会保険の要件と130万円の壁にほぼ同時に届く
  • 月8.8万円は週15〜17時間で超える。106万円の壁は介護では実質機能していない
  • 2026年10月に賃金要件が撤廃予定。2026年4月からは労働契約の内容で扶養を判定する扱いも加わる
  • 時給は資格・時間帯・身体介護・処遇改善手当で動く。訪問介護は報酬の単位数の差が時給差になる
  • 働き方の比較は時給でなく雇用主・シフト・賞与・社会保険・研修の5点で見る

先に決めるべきは時給ではなく、週に何時間働くかです。そこが決まれば、扶養内に収めるのか社会保険に入って伸ばすのかも自動的に決まり、選ぶべき求人が絞れます。

そのうえで、通える範囲にどんな時給・時間帯の求人が出ているかを見れば、現実的な働き方の姿が見えてきます。

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免責事項

※本記事は執筆時点で公表されている厚生労働省・日本年金機構・国税庁・介護労働安定センター等の公開情報をもとにした整理であり、個々の事業所の時給・手当・シフト・雇用条件とは異なります。月収・年収の数値は「週の労働時間×4.33週」で計算した概算の目安です。社会保険の適用要件・扶養の認定基準・税の控除額は、勤務先の規模や加入する健康保険、年度や制度改正によって変わります。個別の労働条件・賃金・社会保険・扶養・税に関するご相談は、勤務先や年金事務所・加入する健康保険組合・お住まいの市区町村・各都道府県の介護労働安定センター・社会保険労務士・税理士など公的窓口や有資格者にご確認ください。


公的情報源(本記事の根拠資料)

公益財団法人 介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」(参照)/厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」(参照)/日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」(参照)/日本年金機構「従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」(参照)/日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」(参照)/厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」(参照)/国税庁「No.1410 給与所得控除」(参照)/国税庁「No.1199 基礎控除」(参照)/国税庁「No.1195 配偶者特別控除」(参照)/厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会(第239回)参考資料「介護報酬の算定構造」(参照


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Nakajimaです。高校を出てすぐ特別養護老人ホームに入り、そこから15年、特養10年・グループホーム3年・訪問介護2年を経て、いまはデイサービスで働いています。介護の4つの現場を全部歩いてきました。

働いて分かったのは、経験年数を重ねることより「施設のタイプを変えること」のほうが年収が上がりやすい、という現実でした。処遇改善加算が実際の給与にどう反映されるかも、勤めた4か所でずいぶん違います。私自身、転職を3回して、そのたびに手取りが変わっていきました。

いまはケアマネジャーの受験勉強をしながら、20歳の自分に教えたかったこと、転職に迷った30歳の自分に渡したかった情報を書いています。厚労省の実態調査とも突き合わせているので、施設選びの参考にしてください。

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