介護の履歴書の書き方|資格欄・職歴欄・本人希望欄で差がつく点と手書き/PCの使い分け

介護の履歴書で差がつくのは、資格欄・職歴欄・本人希望欄の3つです。介護福祉士は登録を受けてはじめて名乗れる資格で、登録証は書類提出から約1か月半かかります。この記事では欄ごとの書き方、手書きとPCの使い分け、転職回数が多い場合やブランクの処理まで整理します。

この記事でわかること

  • 介護の履歴書で採用担当が先に見る資格欄・職歴欄・本人希望欄の3つと、欄ごとの埋め方
  • 資格は正式名称+取得年月で書くこと。介護福祉士は「合格」ではなく「登録」で書けるという制度上の理由
  • 職歴欄に施設種別を書かないと経験が伝わらない理由と、同一法人内の異動・派遣の書き方
  • 転職回数が多い場合・ブランクがある場合の具体的な処理
  • 本人希望欄で夜勤の可否・勤務地・入職可能日をどう書くか。パート応募で扶養の話をどこに書くか
  • 手書きとPCの使い分け、写真のサイズ、郵送・メール添付の作り分け

公的情報源: 厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について(厚生労働省履歴書様式例)」(参照)/公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「資格登録」(参照)/社会福祉士及び介護福祉士法(参照)/厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」(参照

履歴書は応募先が決まってから書くほうが早く仕上がります。施設種別や夜勤の有無で書く内容が変わるため、先に募集条件を眺めておくと迷いません。

結論を先に整理します

介護の履歴書は、文章のうまさで評価されるものではありません。採用担当が最初に確かめるのは「どの資格を持っているか」「どの施設種別で働いたか」「夜勤に入れるか」の3点です。

この3点はそれぞれ資格欄・職歴欄・本人希望欄に対応します。ここを埋めきれば、残りの欄はマナーの範囲で整えるだけで通用します。

この記事の要点

  • 資格は略さず正式名称+取得年月。「介護職員初任者研修課程 修了」「介護福祉士実務者研修 修了」と書く
  • 介護福祉士は登録を受けてはじめて名乗れる資格(社会福祉士及び介護福祉士法 第42条・第48条)。書くのは合格年月ではなく登録年月
  • 職歴欄は法人名+事業所名+施設種別+雇用形態の4点セット。法人名だけでは何をしてきた人か伝わらない
  • 転職回数が多くても職歴は省略しない。医療・福祉分野は1年で約116万人が入職し約114万人が離職する出入りの大きい分野(厚生労働省・令和6年 雇用動向調査)
  • 本人希望欄は「貴社の規定に従います」で終わらせず、夜勤の可否・勤務地・入職可能日を1〜3行で伝える


目次

介護の履歴書はどの欄で差がつくか|3つの欄と様式の選び方

介護の履歴書を仕上げる順番

  • 上から順に埋めるより、資格欄と職歴欄を先に固めるほうが早く仕上がります。
  • 1様式を決める応募先の指定があれば最優先。指定がなければ厚生労働省履歴書様式例を使えば足りる
  • 2資格欄を先に固める正式名称+取得年月。介護福祉士は合格年月ではなく登録年月を書く
  • 3学歴・職歴欄を書く法人名だけで終わらせず、事業所名・施設種別・雇用形態まで書く
  • 4志望動機欄を行数に圧縮する履歴書の欄は3〜4行。なぜこの施設かを最優先で残す
  • 5本人希望欄で条件を伝える夜勤の可否・勤務地・入職可能日。介護では選考に直接効く
  • 6写真と提出方法を整える郵送なら添え状、メールならPDFとファイル名まで確認する

資格欄と職歴欄が固まると、志望動機欄に書く内容も自然に決まります。

図:介護の履歴書は資格欄と職歴欄を先に固めると迷いが減る

介護の履歴書で最初に読まれるのは、志望動機ではなく資格欄と職歴欄です。採用担当は「無資格か、初任者研修以上か」「どの施設種別を経験したか」を確認してから、文章を読み始めます。

理由は配置基準と教育コストにあります。資格の有無で任せられる業務が変わり、経験した施設種別で入職後の立ち上がりが変わるためです。

介護の履歴書で採用担当が見る3つの欄

採用担当が確かめたいこと埋めきれないと起きること
資格欄任せられる業務の範囲・研修の必要量無資格扱いで判断され、条件の話が進まない
学歴・職歴欄どの施設種別で何年働いたか「介護経験あり」だけになり、配属の判断ができない
本人希望欄夜勤・勤務地・入職日が合うかシフトを組めるか読めず、面接前に外される

3つの欄はいずれも事実の欄です。文章力ではなく、正確さと具体性で差がつきます。

様式は「厚生労働省履歴書様式例」を使えば足りる

履歴書の様式で迷う必要はほとんどありません。応募先から指定があればそれに従い、指定がなければ厚生労働省の履歴書様式例を使うのが無難です。

背景を知っておくと選びやすくなります。かつて広く使われていたJIS規格の履歴書様式例は、令和2年7月に日本規格協会がJIS規格の解説の様式例から削除しました。そのため厚生労働省が新たな様式例を作成し、公正な採用選考の観点から広く参考にするよう求めています。

厚生労働省履歴書様式例と従来のJIS様式例の違い

項目従来のJIS様式例厚生労働省履歴書様式例
性別欄「男・女」を丸で囲んで選択任意記載欄(未記載も可)
通勤時間欄あり欄を設けない
扶養家族数(配偶者を除く)欄あり欄を設けない
配偶者欄あり欄を設けない
配偶者の扶養義務欄あり欄を設けない

この変更は、応募者のプライバシー性が高い情報を様式から外すという考え方によるものです。市販の履歴書にはまだ旧様式のものも並んでいますが、どちらを使っても選考上の不利にはなりません。

ただし1点だけ実務に影響します。通勤時間や扶養の欄がない様式を使う場合、伝えたい事情は本人希望欄に自分で書く必要があります(この点は後半で扱います)。

空欄を作らない・応募先ごとに作り直す

様式が決まったら、基本のマナーは3つだけ意識すれば十分です。細かい作法よりも、空欄と使い回しのほうが印象に響きます。

  • 空欄を作らない: 該当がない欄は「特になし」と書き、埋めた状態にする
  • 応募先ごとに作り直す: 志望動機と本人希望欄は施設ごとに変わるため、コピーは通用しない
  • 和暦か西暦のどちらかにそろえる: 学歴・職歴・資格の年月表記を混在させない

手書きで書き損じたときは、修正液・修正テープ・二重線を使わず新しい用紙に書き直します。介護の応募では原本を手渡しする場面が残っているため、紙の状態そのものが見られると考えておくと安全です。


介護の履歴書の資格欄|正式名称・取得年月・「登録」が要る資格

資格欄に書く名称と書き方の対応

  • 資格欄は略称を使わない。正式名称+「修了」「登録」「取得」+年月で書く
    • 初任者研修 → 介護職員初任者研修課程 修了介護保険法施行規則第22条の23に定められた研修課程。「ヘルパー2級」「初任者研修」とは書かない
    • 実務者研修 → 介護福祉士実務者研修 修了「実務者研修」と略さない。修了証明書の名称をそのまま写す
    • 介護福祉士 → 介護福祉士 登録登録簿への登録を受けてはじめて名乗れる。書くのは合格年月ではなく登録年月
    • 車の免許 → 普通自動車第一種運転免許 取得道路交通法第84条第3項の区分名は「普通自動車免許」。どちらでもよいが「普通免許」とは略さない
    • 研修を受講中 → 「◯◯研修 受講中(◯年◯月修了予定)」取得予定が読めるように、修了予定の年月まで書き添える

図:資格欄は略称を使わず、正式名称と「修了・登録・取得」を書き分ける

資格欄は、介護の履歴書でもっとも合否に直結する欄です。任せられる業務の範囲が資格で決まるため、採用担当はここを最初に確認します。

書き方の原則はひとつだけ。手元の修了証明書・登録証に書かれた名称を、そのまま写すことです。

資格名は略さず正式名称で書く

現場では「初任者」「実務者」と略して呼びますが、履歴書では通用しません。略称のままだと、どの課程を修了したのか採用側が判断できないためです。

介護で使う主な資格の正式名称と記載例

現場での呼び方履歴書に書く名称記載例
初任者研修・ヘルパー2級介護職員初任者研修課程令和5年6月 介護職員初任者研修課程 修了
実務者研修介護福祉士実務者研修令和6年3月 介護福祉士実務者研修 修了
介護福祉士介護福祉士令和7年5月 介護福祉士 登録
認知症の基礎研修認知症介護基礎研修令和6年9月 認知症介護基礎研修 修了
車の免許普通自動車第一種運転免許平成30年8月 普通自動車第一種運転免許 取得

「介護職員初任者研修課程」という表記は、介護保険法施行規則第22条の23に定められた課程名にもとづきます。ヘルパー2級から移行した方も、修了証明書の名称をそのまま書けば問題ありません。

運転免許も同じです。道路交通法第84条第3項では第一種免許の区分名を「普通自動車免許」としており、履歴書では「普通自動車第一種運転免許」と書く例も広く使われています。どちらでも減点されませんが、「普通免許」「車の免許」という略記は避けます

介護福祉士は「合格」ではなく「登録」で書ける

介護の履歴書でつまずきやすいのが介護福祉士の書き方です。国家試験に合格しただけでは、資格欄に「介護福祉士」とは書けません

根拠は法律にあります。社会福祉士及び介護福祉士法第42条第1項は「介護福祉士となる資格を有する者が介護福祉士となるには、介護福祉士登録簿に……登録を受けなければならない」と定めています。さらに同法第48条第2項は「介護福祉士でない者は、介護福祉士という名称を使用してはならない」と規定します。

つまり介護福祉士は登録を受けてはじめて名乗れる名称独占の資格です。資格欄に書くのは、合格した年月ではなく登録された年月になります。

問題は合格から登録までの待ち時間です。公益財団法人 社会福祉振興・試験センターは、提出書類に不備がなければ約1か月半で登録証を発送するとしています。合格発表の直後に応募する場合、この期間は登録前の状態です。

合格から登録までの期間の書き方

状態資格欄の書き方
登録証が届いている令和7年5月 介護福祉士 登録
合格したが登録申請中令和7年3月 介護福祉士国家試験 合格(登録申請中)
受験予定・結果待ち令和8年1月 介護福祉士国家試験 受験(結果待ち)

事実をそのまま書けば十分です。「介護福祉士」と先に書いてしまうと、登録証の提出を求められた段階で食い違いが出ます。省略せず、括弧書きで状況を添えるほうが安全です。

取得見込み・受講中・失効はこう書く

学習中の資格も、書き方さえ守れば評価につながります。育成前提で採用する事業所にとって、受講中であることは前向きな材料だからです。

  • 受講中: 「令和8年3月修了予定 介護福祉士実務者研修 受講中」
  • 申込済み・受講前: 「令和8年4月 介護職員初任者研修課程 受講予定」
  • 失効している免許: 「平成28年5月 普通自動車第一種運転免許 取得(現在失効中)」

見込みを書くときは修了予定の年月まで書き添えるのがポイントです。時期が読めれば、事業所側もシフトや配置の計画を立てられます。

資格が1つもないときの資格欄

無資格でも、資格欄は空欄にしません。「特になし」または受講予定を書いて埋めるのが基本です。

介護は資格取得を支援する事業所が多く、入職後に初任者研修から取る道筋が用意されています。資格の全体像と取得順は、介護の資格が転職で有利になる理由で制度ごとに整理しています。

資格欄を強くする一番早い方法は、働きながら資格を取ることです。派遣として働きながら受講費0円で初任者研修・実務者研修を目指せる仕組みもあるので、条件だけ先に確認しておくと履歴書に書ける材料が増えます。

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学歴・職歴欄の書き方|法人名だけでは介護の経験が伝わらない

介護の職歴欄で一番もったいない書き方は、法人名だけで終わらせることです。「社会福祉法人◯◯会 入職」だけでは、何をしてきた人なのかが読み取れません。

介護は同じ「介護職員」でも、特別養護老人ホームとデイサービスでは業務がまるで違います。夜勤の有無、介護度の重さ、1人あたりの担当人数が変わるためです。だからこそ施設種別まで書かないと経験が伝わりません

職歴は「法人名+事業所名+施設種別+雇用形態」の4点

職歴の1行に入れる情報は4つです。行数が足りるなら、担当していた利用者数や夜勤の有無まで添えると、より具体的になります。

職歴欄の書き方の比較

書き方採用担当が読み取れること
弱い書き方社会福祉法人◯◯会 入職介護経験があることだけ
伝わる書き方社会福祉法人◯◯会 入職
特別養護老人ホーム△△(定員80名)にて介護職員として勤務(正社員・夜勤あり)
施設種別・規模・雇用形態・夜勤経験

括弧書きは1〜2行に収めます。履歴書の職歴欄は行数が限られるため、細かい業務内容は職務経歴書に回すのが原則です。

なお、担当業務・夜勤回数・利用者数・記録や委員会活動などを詳しく書くのは職務経歴書の役割になります。この記事では職歴欄を要約の書き方に留めています。

同一法人内の異動・配置転換の書き方

同じ法人のなかで施設を移った場合、退職・入職として書く必要はありません。「配置転換」「異動」として1行足すのが正確です。

令和3年4月 社会福祉法人◯◯会 入職 特別養護老人ホーム△△ 介護職員(正社員) 令和5年4月 同法人 デイサービスセンター□□へ異動 介護職員(正社員) 令和7年3月 一身上の都合により退職

こう書けば在籍は1社のままです。異動を退職・再入職のように書いてしまうと、実態より転職回数が多く見えます

派遣・登録ヘルパー・パートの書き方

雇用形態が違う場合は、雇用主を正しく書くのがルールです。派遣で働いていたなら、契約先は派遣会社になります。

  • 派遣: 「株式会社◯◯(派遣元)に登録 特別養護老人ホーム△△にて介護職員として就業」
  • 登録ヘルパー: 「◯◯訪問介護事業所 訪問介護員(登録ヘルパー)として勤務」
  • パート・アルバイト: 事業所名の後に「(パート)」と明記する

雇用形態を書かないと、常勤として働いていたと誤解されることがあります。後から食い違いが出るより、最初から明記するほうが信頼されます。派遣という働き方そのものの整理は、介護派遣の働き方と時給相場にまとめています。

学歴はどこから書くか

学歴は中学卒業から書くのが一般的です。行数が足りない場合は、高校入学から書き始めても問題ありません。

学校名は略さず正式名称で書きます。「◯◯高校」ではなく「◯◯県立◯◯高等学校」、「普通科」などの学科名まで書くと丁寧です。


転職回数が多い・ブランクがある場合の履歴書の書き方

転職回数が多いことを理由に、職歴を省略する必要はありません。経歴詐称とみなされるリスクのほうがはるかに重いからです。

そもそも介護を含む医療・福祉分野は、人の出入りが大きい分野です。厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概況」によると、2024年の1年間で医療,福祉の入職者数は1,158.6千人、離職者数は1,135.4千人でした。年間で約116万人が入り、約114万人が離れている計算になります。

つまり複数回の転職は、この分野では珍しい経歴ではありません。採用担当が気にするのは回数そのものより、次も同じ理由で辞めないかです。

職歴は省略せず、まとめ方で見やすくする

原則としてすべての職歴を書きます。そのうえで、読みやすくする工夫は可能です。

  • 同一法人内の異動は1社としてまとめる(前章のとおり退職・入職にしない)
  • 短期の派遣就業が複数ある場合は、派遣元ごとにまとめて主な就業先を併記する
  • 行数が足りないときは、古い職歴の括弧書きを削り、直近3社を厚く書く

書かない選択はしません。入職後に雇用保険や年金の記録で食い違いが出るためです。

在籍が短い職歴の並べ方

在籍1年未満の職歴があっても、履歴書では理由を書きません。履歴書は事実の欄であり、説明を書き込むと言い訳のように見えます。

理由は職務経歴書か面接で伝えます。そのとき使いやすいのは、事実を変えずに向いている方向を前向きにする言い方です。

事実面接で伝える形
夜勤の回数が想定より多く体調を崩した日勤中心の働き方で長く続けたいと考えた
法人の方針が変わり配置が頻繁に変わった一つの施設で腰を据えて関係を築きたいと考えた
家族の事情で通勤時間を短くする必要が生じた通勤圏を見直し、長く通える範囲で探している

40代以降で転職回数が気になる方は、年代別の採用実態を先に知っておくと不安が減ります。詳しくは40代の介護転職で整理しています。

ブランクがある場合の書き方

離職期間があるときは、空白のまま置かず1行で埋めます。何をしていた期間かが分かれば、それ以上は問われません。

令和5年4月 一身上の都合により退職 令和5年5月〜令和7年8月 家族の介護に専念(現在は解消)

書ける内容の例は、育児・家族の介護・療養・資格取得の学習・別業界での就業などです。療養が理由の場合は「現在は就業に支障ありません」と一言添えると、採用側が確認したい点が先に解消されます。

未経験からの再スタートを考えている方は、入口の選び方を介護職への未経験転職で確認しておくと、職歴欄の書き方も決めやすくなります。


志望動機欄の書き方|限られた行数に何を残すか

履歴書の志望動機欄は、3〜4行・200〜300字程度しかありません。書きたいことを全部入れると、必ず入りきらなくなります

そこで必要になるのが優先順位です。残すべきは「なぜこの施設か」で、削れるのは一般論と前置きになります。

志望動機欄で残すもの・削るもの

優先度内容扱い
最優先なぜこの施設・事業所なのか(理念・特徴と自分の接点)必ず残す
次点入職後どう働きたいか(貢献のイメージ)1文で残す
削れる介護業界全体への一般論・社会背景の説明削る
削れる「人と接するのが好きです」などどこでも言える言葉削る
削れる前職の不満・退職理由書かない

圧縮のコツは、1文につき1つの役割を持たせることです。1文目で応募先を選んだ理由、2文目で自分の経験との接点、3文目で入職後の姿勢。この3文なら3〜4行に収まります。

書き出しに迷ったら、求人票や公式サイトから応募先の特徴を2つ拾い、自分のきっかけと結ぶところから始めます。この作業だけで、どこにでも出せる文章から応募先固有の文章に変わります。

施設タイプ別・属性別の例文はこの記事では扱いません。未経験・40代・50代・特養やデイなど条件別の例文と、採用側が減点する言い回しは、介護の転職 志望動機の例文にまとめています。そちらで作った文章を、この章の優先順位に沿って履歴書の行数まで削るのが早道です。

なお、志望動機欄が「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」という1つの欄になっている様式もあります。その場合も志望動機を先に書き、特技は最後に1行で足す形で構いません。


本人希望欄の書き方|夜勤の可否・勤務地・入職可能日

本人希望欄は、介護の応募でもっとも軽く扱われがちな欄です。ところが実際には、ここが合わないだけで面接前に外れることがあります。

理由はシフトです。介護は夜勤・早番・遅番を組み合わせて回すため、夜勤に入れるかどうかで採用枠そのものが変わります。「貴社の規定に従います」だけで終わらせると、事業所は確認のために電話をかけ直す必要が出ます。

書くこと・書かないことを分ける

条件を並べるほど印象が悪くなる、というのは事実です。ただし、それは交渉ごとと事実確認を混ぜたときに起こります。

本人希望欄に書くこと・書かないこと

区分内容理由
書く夜勤の可否(不可の場合はその旨)シフトが組めるかを事業所が判断できる
書く勤務可能な曜日・時間帯(パート応募時)募集枠と合うかがその場で分かる
書く入職可能日欠員補充の時期と合うかが分かる
書く通勤の手段や範囲の制約様式に通勤時間欄がないため自分で伝える必要がある
書かない給与・賞与の希望額待遇のみが目的に見える
書かない施設種別や配属先の細かい指定配置の自由度がないと判断される
書かない特に希望がないのに空欄「貴社の規定に従います」と書いて埋める

厚生労働省の履歴書様式例では、通勤時間・扶養家族数・配偶者・配偶者の扶養義務の4欄が設けられていません。伝えておきたい事情は本人希望欄に自分で書くことになります。

同じ資料には、パート労働者に対して面接時に「扶養の範囲内での勤務などは必要ありますか」と確認する質問例が示されています。つまり扶養の範囲で働きたい場合、先に本人希望欄で書いておくほうが話が早いわけです。

状況別の記入例

行数は1〜3行で十分です。事実を短く並べるだけで機能します。

本人希望欄の記入例

夜勤に入れる場合 貴施設の規定に従います。夜勤勤務が可能です。入職可能日は令和8年10月1日以降です。

夜勤に入れない場合 家庭の事情により夜勤は難しいため、日勤帯での勤務を希望いたします。その他の条件は貴施設の規定に従います。

パート・扶養の範囲で働きたい場合 週3日(月・水・金)9時〜16時での勤務を希望いたします。扶養の範囲内での勤務を希望しております。

夜勤ができない場合も、理由を長く書く必要はありません。「難しい」と事実を伝え、ほかは規定に従うと添えれば十分です。日勤中心の求人は通所系や訪問系に多く、条件が合う職場は探せます。


手書きとPCの使い分け|写真・提出方法まで

手書きとPC作成の使い分け

手書きが向く場面
応募先の指定
「手書きで」と書かれている(最優先で従う)
提出方法
持参・郵送で原本を渡す
応募数
1〜2件に絞って応募する
応募先の規模
小規模な事業所・地域密着の法人
注意点
書き損じは修正液を使わず書き直す
PC作成が向く場面
応募先の指定
メール応募・Web応募フォーム
提出方法
PDFで添付して送る
応募数
複数の事業所へ並行して応募する
職歴の量
職歴・資格の行数が多く、書き直しが起きやすい
注意点
写真データの貼り忘れとフォントの混在
どちらでも共通
使い回し
応募先ごとに志望動機と本人希望欄を作り直す
年号
和暦か西暦のどちらかにそろえる
空欄
該当なしの欄は「特になし」で埋める
控え
提出前にコピーかPDFを手元に残す
誤字
事業所名・施設種別の表記を求人票と照合する

図:手書きとPCは優劣ではなく、応募先の指定と提出方法で選び分ける

手書きとPC作成に、どちらが正解という決まりはありません。判断基準は「応募先の指定」と「提出方法」の2つだけです。

指定があれば必ずそれに従います。指定がない場合、郵送や持参なら手書きでもPCでも構いません。メール応募ならPCで作りPDFで送るのが自然です。

手書きが有利に働く場面もある

介護の応募先には、小規模な事業所や地域密着型の法人が多く含まれます。こうした職場では、紙の原本を面接の場で一緒に見ながら話す進め方が残っています。

その場面では、丁寧に書かれた履歴書が印象として効くことがあります。一方で、応募数を増やしたい時期に手書きを続けると作成が追いつきません。応募戦略に合わせて選ぶのが現実的です。

写真のサイズとデータの扱い

写真は縦4cm×横3cmが定番として広く使われています。厚生労働省の履歴書様式例では写真欄に寸法の記載がなく、従来のJIS様式例には「縦36〜40mm・横24〜30mm」と注記されていました。市販の証明写真のサイズなら問題ありません

  • 撮影時期: 3か月以内に撮影したもの
  • 服装: 襟のあるシャツやジャケット。介護職の面接でもスーツが無難
  • 貼り方: 裏面に氏名を書き、のりで貼る(テープは剥がれやすい)
  • データ: PC作成なら画像を貼り付ける。空欄のまま送らない

スマートフォンで撮った写真をそのまま使うと、背景や明るさで印象が変わります。証明写真機か写真店で撮ったものを使うほうが安全です。

メール添付・郵送・手渡しの作り分け

提出方法によって、履歴書以外に必要なものが変わります。ここを外すと、内容がよくても手続きで止まります。

提出方法別に必要なもの

提出方法形式一緒に必要なもの
メール添付PDF(Word原本は送らない)件名に氏名と応募職種、本文に簡単な挨拶
郵送折らずにクリアファイル+角形2号封筒添え状(送付状)、封筒表に「応募書類在中」
手渡しクリアファイルに入れて封筒は開封のまま封筒に宛名は書かず、氏名のみ記入

メール添付のファイル名は「履歴書_氏名_日付」のように開かなくても中身が分かる形にします。「rirekisho.pdf」のままだと、複数の応募者のファイルが混ざったときに埋もれます。

郵送の場合、封筒の宛名は「◯◯施設 採用ご担当者様」とし、担当者名が分かっているなら個人名+様にします。切手の料金不足は不着の原因になるため、窓口で計量して出すのが確実です。


訪問介護・パート・デイサービス|応募先で変える1行

ここまでの欄別の書き方を踏まえて、応募先によってどこを1行変えるかだけを整理します。全部を作り直す必要はありません。

応募先別・履歴書で変えるところ

応募先特に効く欄変える内容
訪問介護資格欄・本人希望欄資格は必須。移動手段(自動車・自転車・徒歩圏)を書く
デイサービス本人希望欄送迎運転の可否。日勤のみの希望はここで伝える
特別養護老人ホーム職歴欄・本人希望欄夜勤の可否と経験。介護度の重い現場の経験を職歴に添える
グループホーム職歴欄認知症ケアの経験・研修修了を資格欄と職歴欄に反映
パート・短時間勤務本人希望欄勤務可能な曜日と時間帯、扶養の範囲の希望

訪問介護の履歴書は資格欄の重みが違う

訪問介護に応募する場合、資格欄は「あれば有利」ではありません。無資格では身体介護に入れないため、資格の有無が応募可否そのものに関わります。

そのため訪問介護の履歴書では、資格欄に修了年月まで正確に書くことが特に重要になります。加えて、移動手段を本人希望欄に書いておくと話が早く進みます。

訪問先への移動は自動車が可能です(普通自動車第一種運転免許あり・自家用車の持ち込み可否についてはご相談させてください)。

訪問介護の働き方や常勤・登録ヘルパーの違いは、訪問介護への転職で整理しています。応募前に読んでおくと、本人希望欄に書く内容が決まります。

パート応募は「働ける時間」を先に書く

パートや短時間勤務で応募するとき、事業所が知りたいのはいつ働けるかです。志望動機よりも先に、この情報が必要になります。

曜日と時間帯を具体的に書けば、募集枠と合うかがその場で判断できます。扶養の範囲で働きたい場合も、様式に扶養の欄がない以上、本人希望欄で伝えるのが確実です。

提出前に確認する7点

最後に、封をする前・送信する前の確認項目をまとめます。直せるのは提出前だけです。

  1. 資格名が正式名称になっているか(「初任者研修」などの略称が残っていないか)
  2. 介護福祉士を書いた場合、登録が済んでいるか
  3. 職歴に事業所名と施設種別、雇用形態が入っているか
  4. 和暦・西暦が全欄でそろっているか
  5. 空欄が残っていないか(該当なしは「特になし」)
  6. 志望動機と本人希望欄が、この応募先向けに書かれているか
  7. 事業所名・法人名の表記が求人票と一致しているか

7点目は見落としやすいところです。「◯◯苑」と「◯◯園」、「株式会社」と「有限会社」の取り違えは、それだけで確認不足の印象を残します。

応募先を複数比較しながら進めたい場合は、施設種別ごとの求人の見方を介護転職エージェントの比較で確認しておくと、履歴書に書く条件も整理しやすくなります。


まとめ|介護の履歴書は「事実の3欄」を正確に埋めれば通る

介護の履歴書の書き方を、欄ごとに整理してきました。最後に要点をまとめます。

この記事のまとめ

  • 差がつくのは資格欄・職歴欄・本人希望欄の3つ。いずれも文章力ではなく正確さで決まる
  • 資格は正式名称+取得年月。介護福祉士は登録を受けてはじめて書ける(登録証は書類提出から約1か月半)
  • 職歴欄は法人名+事業所名+施設種別+雇用形態。同一法人内の異動は退職・入職にしない
  • 転職回数が多くても職歴は省略しない。理由は履歴書ではなく面接で前向きに伝える
  • 本人希望欄には夜勤の可否・勤務地・入職可能日を書く。様式に通勤時間・扶養の欄がないぶん自分で伝える
  • 手書きとPCは応募先の指定と提出方法で選ぶ。優劣はない

履歴書は、うまく書いて印象を上げる書類ではありません。資格・経験・働ける条件を、誤解なく伝える書類です。3つの欄を正確に埋めれば、それだけで通過率は変わります。

履歴書は応募先が決まってから書くほうが、志望動機欄も本人希望欄も一度で決まります。夜勤の有無・施設種別・通勤圏の条件を並べて比べるところから始めてみてください。

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よくある質問

介護の履歴書について、応募前によく挙がる質問をまとめます。

Q1:介護の履歴書は手書きとパソコンのどちらがいいですか?

応募先の指定が最優先で、指定がなければどちらでも構いません。判断基準は提出方法です。郵送や持参なら手書きでもPCでもよく、メール応募ならPCで作成してPDFで送るのが自然です。小規模な事業所に1〜2件だけ応募するなら手書き、複数に並行して応募するならPCが現実的といえます。

Q2:介護福祉士の試験に合格しましたが、登録証がまだ届きません。資格欄にどう書けばいいですか?

「介護福祉士国家試験 合格(登録申請中)」と書きます。介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法第42条の登録を受けてはじめて名乗れる資格で、同法第48条第2項は登録を受けていない者が名称を使うことを禁じています。公益財団法人 社会福祉振興・試験センターによれば、書類に不備がなければ登録証の発送までは約1か月半です。

Q3:介護の履歴書で転職回数が多いときはどう書けばいいですか?

省略せず、すべての職歴を書きます。同一法人内の異動は退職・入職にせず「異動」として1社にまとめると、実態どおりの回数になります。理由は履歴書に書かず、面接で前向きな形に置き換えて伝えます。医療・福祉分野は2024年の1年間で約116万人が入職し約114万人が離職している分野で(厚生労働省・雇用動向調査)、複数回の転職自体は珍しくありません。

Q4:介護の履歴書の志望動機欄は何文字くらい書けばいいですか?

3〜4行・200〜300字が目安です。全部を入れようとせず、「なぜこの施設か」を最優先で残し、入職後どう働きたいかを1文添えます。業界全体への一般論や「人と接するのが好き」といったどこでも言える言葉は削って構いません。1文につき1つの役割を持たせると、この行数に収まります。

Q5:本人希望欄には何を書けばいいですか?夜勤のことは書くべきですか?

夜勤の可否は書いたほうが選考が進みます。介護はシフトを組めるかが採用枠に直結するためです。ほかに書くとよいのは勤務可能な曜日・時間帯、入職可能日、通勤手段の制約です。給与の希望額や配属先の細かい指定は書きません。特に希望がない場合も空欄にせず「貴施設の規定に従います」と書いて埋めます。

Q6:介護の履歴書の写真のサイズは何センチですか?

縦4cm×横3cmが定番で、市販の証明写真のサイズであれば問題ありません。厚生労働省の履歴書様式例には写真欄の寸法の記載がなく、従来のJIS規格の様式例には「縦36〜40mm・横24〜30mm」と注記されていました。3か月以内に撮影したもので、襟のある服装が無難です。裏面に氏名を書いてのりで貼ります。

Q7:パートや訪問介護に応募するとき、履歴書で変えることはありますか?

変えるのは本人希望欄と資格欄です。パートは勤務可能な曜日・時間帯と扶養の範囲の希望を先に書きます。厚生労働省の履歴書様式例には扶養家族数や通勤時間の欄がないため、必要なら自分で本人希望欄に書きます。訪問介護は無資格では身体介護に入れないため資格欄の正確さが重要で、移動手段も書き添えると話が早く進みます。


免責事項

※本記事は執筆時点の公開情報および法令をもとにした履歴書の書き方の整理であり、採用の合否・選考結果を保証するものではありません。応募書類の様式・提出方法は応募先の指定が優先されます。資格の登録手続き・記載方法の個別の判断は各資格の登録機関へ、労働条件・雇用契約に関わる判断は各都道府県の介護労働安定センター・ハローワーク・社会保険労務士など公的窓口・有資格者にご相談ください。


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この記事を書いた人

Nakajimaです。高校を出てすぐ特別養護老人ホームに入り、そこから15年、特養10年・グループホーム3年・訪問介護2年を経て、いまはデイサービスで働いています。介護の4つの現場を全部歩いてきました。

働いて分かったのは、経験年数を重ねることより「施設のタイプを変えること」のほうが年収が上がりやすい、という現実でした。処遇改善加算が実際の給与にどう反映されるかも、勤めた4か所でずいぶん違います。私自身、転職を3回して、そのたびに手取りが変わっていきました。

いまはケアマネジャーの受験勉強をしながら、20歳の自分に教えたかったこと、転職に迷った30歳の自分に渡したかった情報を書いています。厚労省の実態調査とも突き合わせているので、施設選びの参考にしてください。

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