ケアマネの受験資格は実務経験5年900日|対象になる資格・職種と日数の数え方

ケアマネの受験資格は、対象となる21の国家資格に基づく業務か、定められた相談援助業務に、通算5年以上かつ900日以上従事することです。「5年」は介護保険法施行規則第113条の2、「900日」は国の実施要綱が定めています。第28回試験の合格者12,961人のうち64.1%は介護福祉士でした。

この記事でわかること

  • 受験資格は「5年以上」と「900日以上」の2条件で、片方だけでは足りないこと
  • 「5年」と「900日」は根拠が別の文書にあり、900日は法令の条文には書かれていないこと
  • 対象になる21の国家資格と4種類の相談援助業務、そして資格ごとの合格者の実数
  • 日数の数え方(短時間勤務でも1日)と、期間をいつまでに満たせばよいか
  • 実務経験証明書が出せないときの代替書類と、受験する都道府県の決まり方
  • 5年を3年へ短くする見直しがどこまで進んでいるのか(2026年9月時点)

公的情報源: 「介護保険法施行規則」第113条の2(参照)/厚生労働省「『介護支援専門員実務研修受講試験の実施について』の一部改正について」(平成27年2月12日 老発0212第2号・参照)/厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(参照)/社会保障審議会介護保険部会(第127回・令和7年10月27日)資料2(参照)

受験資格は「どの資格を持っているか」だけでなく「どんな業務に就いているか」で決まります。対象になる職場の求人条件を見ると、あと何年で届くのかが具体的につかめます。

結論を先に整理します

ケアマネの受験資格でつまずく人の多くは、「5年」だけを見て「900日」を数えていません。この2つは別々の条件です。

たとえば週2日のパートで5年働いた場合、期間は5年に届いても日数はおよそ500日。これでは受験できません。逆に週5日で4年働いても、期間が足りません。

この記事の要点

  • 受験資格=対象業務に通算5年以上、かつ従事日数900日以上。どちらか一方では受験できない
  • ルートは2つ。21の国家資格に基づく業務か、生活相談員など定められた相談援助業務
  • 「5年」の根拠は介護保険法施行規則第113条の2。「900日」は条文になく、国の実施要綱が定める
  • 日数は1日の勤務時間が短くても1日と数える(実施要綱)。パート勤務も同じ扱い
  • 実務経験は試験日の前日までに満たせばよい。証明は事業所発行の実務経験証明書
  • 5年を3年へ、対象資格を5つ追加する見直しは検討中の論点。令和8年度試験は現行のまま


目次

ケアマネの受験資格は「5年以上」と「900日以上」の両方

ケアマネの受験資格は、対象となる業務に通算5年以上、かつ従事日数900日以上です。2つの条件を同時に満たす必要があります。

正式な試験名は「介護支援専門員実務研修受講試験」。都道府県が実施し、年1回以上おこなわれます。

受験資格を満たしているかを確かめる順番

  • 「介護の仕事を5年やった」で判断すると外れます。5つの段を上から順に確かめます。
  • 1どちらのルートかを決める①対象21資格に基づく業務のルート ②生活相談員・支援相談員・相談支援専門員などの相談援助業務のルート。両方を合算することもできる
  • 2数え始める日を決める資格ルートは「その資格に基づき業務に従事した期間」。資格を取る前に同じ職場で働いていた期間は入らない
  • 3期間が通算5年以上あるか複数の職場・複数の資格をまたいでも通算できる。働いていないブランクは通算に入らない
  • 4従事日数が900日以上あるか実際に勤務した日を数える。1日の勤務時間が短くても1日と数える(実施要綱4の(3))
  • 5いつ時点で満たすかを確認する必要な実務経験期間は「試験日の前日まで」に満たしていればよい(実施要綱4の(2))。申込時点で未達でも見込みで出せる

5年と900日は別々の条件です。どちらか一方が欠けると受験できません。

図:ルートの確定→起算日→5年→900日→基準日の順に確かめる

「5年」と「900日」は根拠になる文書が違う

ここは意外と知られていない点です。2つの数字は、別々の文書に書かれています。

まず「5年」。介護保険法施行規則第113条の2は、「第一号及び第二号の期間が通算して五年以上であることとする」と定めています。条文にあるのは年数だけ。900日という数字はどこにも出てきません。

では900日はどこにあるのか。厚生労働省の通知「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」に添えられた実施要綱です。その3の(1)に、「ア及びイの期間が通算して5年以上であり、かつ、当該業務に従事した日数が900日以上である者とする」と書かれています。

「5年」と「900日」の根拠

条件根拠となる文書位置づけ
通算5年以上介護保険法施行規則 第113条の2省令(法第69条の2第1項の委任を受けた規定)
従事日数900日以上厚生労働省 実施要綱 3の(1)国が示す事業実施の要綱
具体的な申込方法・期限各都道府県の受験要項実施主体である都道府県が定める

実務上の意味は1つ。細かい判断は都道府県の受験要項を見ないと決まらないということです。同じ経歴でも、都道府県によって求められる書類や締切が変わります。

期間と日数のどちらが先に足りなくなるか

働き方によって、先に足りなくなる条件が変わります。

  1. 常勤・週5日勤務 … 5年で日数はおよそ1,200日。先に足りなくなるのは期間
  2. 週4日勤務 … 5年で日数はおよそ1,000日。ほぼ同時に到達する
  3. 週3日以下のパート … 5年でも日数が900日に届かない。先に足りなくなるのは日数

週3日以下で働いている場合、5年経った時点でまだ受験できません。日数が900日に届く時期を先に計算するのが現実的な進め方です。


受験資格の対象になる資格と職種|21の国家資格と相談援助業務

受験資格のルートは2つ。国家資格に基づく業務のルートと、相談援助業務のルートです。

介護保険法施行規則第113条の2は、第1号で国家資格を、第2号で相談援助業務を挙げています。どちらか一方でも、両方を合算しても構いません。

受験資格になる業務の2ルート

  • 受験資格になるのは「資格に基づく業務」か「必置の相談援助業務」。どちらも対人の直接的な援助が本来業務であることが条件
    • ルート1|21の国家資格に基づく業務(規則第113条の2 第1号)医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士(管理栄養士を含む)・精神保健福祉士。資格を取ったあと、その資格に係る業務に就いた期間だけを数える
    • ルート2|必置の相談援助業務(規則第113条の2 第2号・実施要綱 別紙1)介護老人福祉施設・特定施設入居者生活介護・地域密着型の施設等に置かれる生活相談員、介護老人保健施設の支援相談員、計画相談支援・障害児相談支援の相談支援専門員、生活困窮者自立相談支援事業の従事者。資格を問わず、その職に就いていた期間を数える
    • ⛔ ルートに乗らない働き方資格を持たない介護職員としての勤務、初任者研修・実務者研修だけを修了した状態での勤務、資格はあるが対人の直接的な援助が本来業務でない研究業務。実施要綱3の(2)が明記している

介護の現場で長く働いていても、資格と職名が条件に合っていないと1日も数えられません。

図:受験資格になるのは「資格に基づく業務」と「必置の相談援助業務」の2ルート

実際に合格しているのは誰か|第28回の職種別データ

対象資格の一覧だけを見ても、自分の位置は見えません。どの資格の人が実際に受かっているかを見たほうが早く判断できます。

受験資格になる国家資格と、第28回試験の職種別合格者数

分野資格第28回の合格者構成比
介護・福祉介護福祉士8,310人64.1%
介護・福祉社会福祉士857人6.6%
介護・福祉精神保健福祉士92人0.7%
看護看護師・准看護師2,094人16.2%
看護保健師245人1.9%
看護助産師27人0.2%
リハビリ理学療法士618人4.8%
リハビリ作業療法士293人2.3%
リハビリ言語聴覚士67人0.5%
リハビリ視能訓練士8人0.1%
医療医師30人0.2%
医療歯科医師30人0.2%
医療薬剤師126人1.0%
医療歯科衛生士137人1.1%
医療義肢装具士6人0.0%
施術あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師171人1.3%
施術柔道整復師212人1.6%
栄養栄養士・管理栄養士198人1.5%
相談援助相談援助業務等の従事者242人1.9%

厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」(令和7年10月12日実施)の職種別合格者数です。合計は13,763人で、複数の資格を持つ人が重複して数えられているため、合格者数12,961人とは一致しません。構成比は12,961人に対する割合です。

読み取れることは3つあります。

  • 合格者の3人に2人は介護福祉士。介護現場からの受験が主流
  • 次に多いのが看護師・准看護師の16.2%。医療職からの流入も一定量ある
  • 資格を持たない相談援助業務ルートは1.9%。数としては少数派

相談援助業務ルートで数えられる職種

資格ルートに乗らない人でも、必置の相談援助業務に就いていれば数えられます。実施要綱の別紙1が範囲を定めています。

相談援助業務として数えられる職種

職種置かれる場所根拠
生活相談員介護老人福祉施設、特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設、地域密着型介護老人福祉施設、介護予防特定施設各サービスの人員基準
支援相談員介護老人保健施設指定介護老人保健施設の人員基準
相談支援専門員計画相談支援(障害者総合支援法)、障害児相談支援(児童福祉法)各指定基準
生活困窮者自立相談支援事業の従事者生活困窮者自立相談支援事業生活困窮者自立支援法(対象者は別に定める)

都道府県の要項では、生活困窮者自立相談支援事業の枠を「主任相談支援員」と具体名で示している例があります。福岡県は令和8年度の案内で、生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員の4つを対象として挙げています。

生活相談員という職種そのものの資格要件や配置基準は、別記事で整理しています。

介護の生活相談員とは|資格要件が自治体で違う理由と配置基準

介護職員としての勤務だけでは数えられない

ここが介護現場からの受験でいちばん誤解されるところです。無資格で介護の仕事をしていた期間は、1日も数えられません。

介護職員初任者研修や実務者研修を修了していても同じです。これらは21の国家資格に含まれていません。

さらに実施要綱3の(2)は、対象の判断について「要援護者に対する対人の直接的な援助が、当該者の本来業務として明確に位置づけられていること」を求めています。資格を持っていても、対人援助ではない研究業務の期間は含まれません。

資格を取るところから逆算したい場合は、資格ルート全体を整理した記事が出発点になります。

介護の資格が転職で有利になる理由|資格なしから介護福祉士までの道筋


実務経験の計算方法|期間と日数の数え方

計算でつまずくのは、期間と日数でルールが違うからです。片方の感覚でもう片方を数えると、判断を誤ります。

期間・日数・数えられないものの違い

「5年」=期間の数え方
単位
在職した月日の通算。暦のうえで何年働いたか
合算
複数の職場・複数の資格をまたいで通算できる
起算
資格ルートは、その資格に基づき業務に従事し始めた日から
注意
働いていない期間は通算に含まれない。同時期に2か所で働いても期間は二重に数えない
「900日」=日数の数え方
単位
実際に勤務した日の合計
短時間勤務
1日の勤務時間が短くても1日と数える(実施要綱4の(3))
合算
複数の事業所の勤務日数を合計してよい
注意
勤務していない日は数えない。週3日勤務だと5年でも届かない
数えられないもの
資格前
資格を取る前に同じ職場で働いていた期間
職種
無資格の介護職員、初任者研修・実務者研修のみの勤務
業務内容
対人の直接的な援助が本来業務でない研究業務(実施要綱3の(2))
空白
離職していたブランクの期間

図:期間は暦、日数は出勤日。数えられない期間は先に除いてから計算する

日数は「1日の勤務時間が短くても1日」

パートや短時間勤務の人にとって重要な規定です。実施要綱4の(3)は、「実務経験期間の日換算については、1日の勤務時間が短い者の場合についても1日勤務したものとみなす」としています。

つまり4時間勤務でも8時間勤務でも、900日の数え方は同じ。時間数に換算されるわけではありません。

一方で、勤務していない日は数えられません。週3日勤務なら年間およそ150日で、5年でも750日にとどまります。900日に届くのはおよそ6年後という計算です。

勤務形態別に900日へ届く時期のめやす

勤務日数年間の勤務日900日に届く時期先に足りなくなる条件
週5日約240日約3年9か月5年(期間)
週4日約190日約4年9か月ほぼ同時
週3日約150日約6年900日(日数)
週2日約100日約9年900日(日数)

年間の勤務日数から機械的に割り戻しためやすです。実際の日数は勤務表で数えるため、ご自身の出勤日で計算し直してください。

期間はいつまでに満たせばよいか

申込時点で5年に届いていなくても、あきらめる必要はありません。実施要綱4の(2)は「必要実務経験期間は、試験日前日までに満たしていること」と定めています。

申込は初夏、試験は10月。この数か月のあいだに条件を満たす人は、見込みで申し込めます。ただし要件を満たしたあとに、改めて実務経験証明書を提出する必要があります。

期日までに証明書が提出されないと、受験資格を満たさなかったものとして試験は無効になります。ここは締切の管理が要ります。

複数の資格・複数の職場をまたぐ場合

通算できます。実施要綱の対象者は「ア及びイの期間」を通算する形で書かれており、資格ルートと相談援助業務ルートの合算も含まれます。

たとえば介護福祉士の資格に基づく業務が3年、その後に生活相談員として2年なら、期間は通算5年。日数もそれぞれの勤務日を合計します。

同じ時期に2か所で働いていた場合、期間は重ねて数えません。日数の扱いは都道府県の判断が入るため、要項で確認するのが確実です。

受験資格に届く時期は「今の職場でどの業務に就いているか」で変わります。対象になる職種の募集条件を並べて見ると、あと何年で届くのか、転職して起算し直す必要があるのかがはっきりします。

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介護福祉士・看護師から目指す場合の起算日

同じ「5年」でも、資格によって数え始める日が変わります。起算日を1年間違えると、受験の年が丸ごとずれます。

介護福祉士は「合格後」ではなく「登録後の業務」から

介護福祉士のルートで注意したいのは、条文の書き方です。規則第113条の2第1号は「介護福祉士……が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間」としています。

読み方はシンプル。資格を持った状態で、その資格に係る業務に就いた期間だけを数えます。

介護福祉士を取る前の3年間、同じ特別養護老人ホームで働いていたとしても、その3年は数えられません。合格・登録してからの期間だけが対象です。

  1. 無資格・初任者研修で介護職に就いた期間 … 数えない
  2. 実務者研修を修了して働いた期間 … 数えない
  3. 介護福祉士の登録後、その資格に係る業務に就いた期間 … ここから数える

介護福祉士の受験には3年以上の実務経験が要ります。そのうえでケアマネ試験に5年。入職からの合計は最短でも8年ほどという見通しになります。

看護師・准看護師も考え方は同じ

看護師・准看護師も第1号に含まれます。資格に基づく業務に従事した期間を通算5年、かつ900日以上です。

第28回試験では看護師・准看護師の合格者が2,094人で、合格者全体の16.2%。介護福祉士に次ぐ2番目の多さでした。

医療機関での勤務も、資格に基づく業務であれば対象になります。介護保険サービスの事業所に限られるわけではありません。

資格を持たずに介護現場で働いている場合

現時点で対象資格がない場合、進み方は2つあります。

  • 資格ルートに乗せる:実務者研修を経て介護福祉士を取得し、そこから5年900日を数え始める
  • 相談援助業務ルートに乗せる:生活相談員や支援相談員などの必置の職に就き、その期間を数える

どちらが早いかは、今の職場で相談援助の職に移れるかで決まります。職種転換の可否は施設の人員基準と定員で決まるため、まず自分の事業所の配置を確認するところからです。

施設種別ごとの働き方の違いは、別記事で整理しています。

特別養護老人ホームへの転職|仕事内容・給与・向き不向き


申し込みの流れと実務経験証明書

受験資格を満たしていても、書類がそろわなければ受験できません。実務経験証明書は事業所が発行する書類なので、勤務先とのやり取りが必要になります。

申込期間と試験日は都道府県ごとに違う

試験の実施主体は都道府県です。試験日は全国で同じ日に設定されますが、申込期間は都道府県が決めます。

令和8年度(第29回)試験の日程例

都道府県申込期間試験日
東京都令和8年6月1日〜6月30日(当日消印有効)令和8年10月11日 午前10時開始
福岡県令和8年6月4日〜7月3日(最終日消印有効)令和8年10月11日 午前10時開始

東京都と福岡県の公表資料で確認できた日程です。開始日で3日、締切で3日ずれています。自分の受験地の要項を必ず引いてください。

なお福岡県は、平成30年度以降に同県の試験を受験した人について実務経験証明書などの書類を省略できるとしています。再受験の場合、書類の負担が軽くなる都道府県があるということです。

実務経験証明書は誰が書くのか

実施要綱4の(1)によると、実務経験の確認は施設・事業所の長または代表者が発行する実務経験証明書でおこないます。受験申込書に添えて提出します。

国家資格ルートの場合、免許証などの写しを証明書に添付します。

証明する人と本人が同じ場合(自分が経営者の場合など)は、開業許可書・認可書・届出書・業務委託契約書といった客観的に証明できる書類の写しを併せて出します。社会福祉士や介護福祉士のように許認可の仕組みがない場合は、月次・年次の報告書や業務日誌も証明書類として認められます。

勤めていた事業所がもう無いとき

転職を重ねていると起きる問題です。実施要綱には救済の規定があります。

4の(1)オは、施設・事業所の廃業や統廃合などで実務経験証明書の発行が困難な場合について、次の書類で実務経験の有無を確認する方法でも差し支えないとしています。

  1. 給与明細書
  2. 雇用契約書
  3. 受験年度以前に作成された実務経験証明書
  4. 受験年度以前の受験票

過去に受けた試験の受験票が使える点は見落とされがちです。古い書類は捨てずに残しておくと、あとで効いてきます。

受験できるのは1つの都道府県だけ

実施要綱6は、試験の受験地を受験申込書を提出する時点で業務に従事している勤務地の都道府県と定めています。勤務地がない場合は住所地の都道府県です。

そして「複数都道府県で受験を行うことはできない」と明記されています。合格の可能性を上げるために複数の県で出願する、という方法はとれません。

県をまたいで転職する予定がある場合は、申込時点の勤務地がどこになるかを先に確認しておくと安全です。


受験資格の見直し・緩和はどこまで進んでいるのか

「ケアマネ 受験資格 緩和」「3年」で検索されている話題です。2026年9月時点では、見直しは検討中の論点であって決定ではありません。

なぜ緩和が議論されているのか

背景は受験者数の激減です。平成30年度に受験要件が国家資格保有者などに限定された結果、受験者数は1年で3分の1近くまで落ちました。

介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数と合格率

回(年度)受験者数合格者数合格率
第20回(平成29年度)131,560人28,233人21.5%
第21回(平成30年度)49,332人4,990人10.1%
第26回(令和5年度)56,494人11,844人21.0%
第27回(令和6年度)53,699人17,228人32.1%
第28回(令和7年度)50,601人12,961人25.6%

厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」の推移表から抜粋しました。131,560人から49,332人へ、およそ62%減です。

「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中間整理も、この点を課題として挙げています。受験者数は平成29年度まで10万人を超えていたものが平成30年度の受験要件の見直し後に減り、近年は5万人前後で推移していると整理されました。従事者数も平成30年度の189,754人をピークに、令和4年度は183,278人へ減っています。

議論されている3つの見直し

社会保障審議会介護保険部会(第127回・令和7年10月27日)の資料2に、検討の方向性が示されました。

  • 対象資格の追加:診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、救急救命士、公認心理師について、新たに受験資格として認めることとしてはどうか
  • 実務経験年数の短縮:現行の5年について、介護福祉士の実務経験ルートで求められている年数を踏まえて3年に見直すこととしてはどうか
  • 更新制の廃止:更新研修の受講を要件とした介護支援専門員証の有効期間の更新の仕組みは廃止してはどうか

いずれも「論点に関する考え方(検討の方向性)」として示されたものです。制度改正として確定した内容ではありません。

今から準備する人はどう構えるか

判断の材料は2つです。

まず、令和8年度(第29回)試験は現行の要件で実施されます。東京都・福岡県のいずれの案内も、5年以上かつ900日以上の実務経験を受験資格として示しています。

次に、仮に3年へ短縮されても、「対象になる業務に就いていた期間」という数え方は変わりません。無資格の介護職員としての期間が突然カウントされるわけではないため、起算日を正しく置いておく作業は先にやっておいて損がありません。

見直しの動きは年度ごとに変わります。受験を考えている年の要項が公表された時点で、自分の受験地の条件を読み直してください。


よくある質問

Q1:ケアマネの受験資格に必要な実務経験は何年ですか?

対象となる業務に通算5年以上、かつ従事日数900日以上です。どちらか一方では受験できません。「5年」は介護保険法施行規則第113条の2、「900日」は厚生労働省の実施要綱3の(1)が定めています。対象になるのは、21の国家資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間か、生活相談員・支援相談員・相談支援専門員などの相談援助業務に従事した期間です。

Q2:ケアマネの受験資格の900日はどうやって計算しますか?

実際に勤務した日を合計します。実施要綱4の(3)は「実務経験期間の日換算については、1日の勤務時間が短い者の場合についても1日勤務したものとみなす」としており、短時間勤務でも1日と数えます。複数の事業所で働いていた場合は、それぞれの勤務日数を合計できます。週5日勤務ならおよそ3年9か月、週3日勤務ならおよそ6年で900日に届く計算です。

Q3:介護福祉士の資格を取る前に働いていた期間は数えられますか?

数えられません。規則第113条の2第1号は「介護福祉士……が、その資格に基づき当該資格に係る業務に従事した期間」と定めています。無資格で介護職に就いていた期間や、初任者研修・実務者研修のみを修了した状態での勤務は対象外です。介護福祉士の登録後、その資格に係る業務に就いた期間から数え始めます。

Q4:申込時点で5年に届いていなくても申し込めますか?

申し込めます。実施要綱4の(2)は「必要実務経験期間は、試験日前日までに満たしていること」としており、見込みでの申込が認められています。ただし要件を満たしたあとに、改めて実務経験証明書を提出する必要があります。都道府県が定める期日までに証明書が提出されないと、受験資格を満たさなかったものとして試験は無効になります。

Q5:勤めていた事業所が無くなり、実務経験証明書が出せません。

実施要綱4の(1)オに代替の規定があります。施設・事業所の廃業や統廃合などで証明書の発行が困難な場合は、給与明細書、雇用契約書、受験年度以前に作成された実務経験証明書、受験年度以前の受験票などで実務経験の有無を確認する方法でも差し支えないとされています。取り扱いは都道府県が判断するため、受験地の担当課へ早めに相談してください。

Q6:受験資格が5年から3年に緩和されるのはいつですか?

2026年9月時点で、時期は決まっていません。社会保障審議会介護保険部会(第127回・令和7年10月27日)の資料2に「実務経験年数について5年(現行)から3年に見直すこととしてはどうか」という検討の方向性が示された段階です。あわせて診療放射線技師・臨床検査技師・臨床工学技士・救急救命士・公認心理師を受験資格に加えることも論点になっています。令和8年度(第29回)試験は、現行の5年以上かつ900日以上で実施されます。

Q7:複数の都道府県で受験してもいいですか?

できません。実施要綱6は、受験地を受験申込書の提出時点で業務に従事している勤務地の都道府県(勤務地がない場合は住所地の都道府県)とし、「複数都道府県で受験を行うことはできない」と明記しています。県をまたぐ転職を予定している場合は、申込時点の勤務地がどちらになるかを先に確認しておくと確実です。


まとめ:起算日を決めてから、5年と900日を別々に数える

受験資格の判断を早く終わらせるための要点を整理します。

この記事のまとめ

  • 受験資格は通算5年以上かつ900日以上。「5年」は介護保険法施行規則第113条の2、「900日」は国の実施要綱が根拠
  • ルートは21の国家資格に基づく業務と必置の相談援助業務の2つ。両方を通算してよい
  • 無資格の介護職員としての期間、初任者研修・実務者研修のみの期間は1日も数えられない
  • 日数は1日の勤務時間が短くても1日。週3日勤務だと5年では届かず、およそ6年かかる
  • 期間は試験日の前日までに満たせばよい。証明書の提出遅れは受験無効になる
  • 第28回の合格者12,961人のうち介護福祉士が64.1%、看護師・准看護師が16.2%
  • 5年→3年の短縮と対象資格5つの追加は検討中の論点。令和8年度試験は現行のまま

自分が受験できるかどうかは、資格証を眺めていても答えが出ません。起算日を決め、期間と日数を別々に数え、受験地の要項で確認する。この3ステップで結論が出ます。

そのうえで、あと何年かかるかが見えたときに次の問いが立ちます。今の職場で数え続けるのか、対象になる業務に就ける職場へ移るのか。この判断は求人条件を並べたほうが早く決まります。

受験資格に届く時期は、資格だけでなく「就いている業務」で決まります。生活相談員などの相談援助職や、介護福祉士の資格を活かせる職場の募集条件を並べて、起算し直したほうが早いかどうかを確かめてみてください。

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免責事項

※本記事は執筆時点で公表されている法令・厚生労働省の通知および統計・各都道府県の公表資料をもとにした整理であり、個々の受験資格の可否を判定するものではありません。介護支援専門員実務研修受講試験は都道府県が実施主体であり、申込期間・提出書類・実務経験の取り扱いは受験地の受験要項によって異なります。制度の見直しに関する記載は検討段階の内容であり、確定した制度改正ではありません。実際の受験資格の可否・書類の要件は、受験予定地の都道府県の介護保険担当課または試験実施機関へ必ずご確認ください。個別の労務相談・雇用契約に関する疑問などは、各都道府県の介護労働安定センター・労働基準監督署・社会保険労務士など有資格者・公的窓口にご相談ください。


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Nakajimaです。高校を出てすぐ特別養護老人ホームに入り、そこから15年、特養10年・グループホーム3年・訪問介護2年を経て、いまはデイサービスで働いています。介護の4つの現場を全部歩いてきました。

働いて分かったのは、経験年数を重ねることより「施設のタイプを変えること」のほうが年収が上がりやすい、という現実でした。処遇改善加算が実際の給与にどう反映されるかも、勤めた4か所でずいぶん違います。私自身、転職を3回して、そのたびに手取りが変わっていきました。

いまはケアマネジャーの受験勉強をしながら、20歳の自分に教えたかったこと、転職に迷った30歳の自分に渡したかった情報を書いています。厚労省の実態調査とも突き合わせているので、施設選びの参考にしてください。

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